電通とリクルートホールディングスは、訪日外国人向けマーケティング領域での協業を開始した。
2015年は訪日外国人旅行者数が1,974万人(日本政府観光局調べ)を記録し、その消費額は年間で初の3兆円超えとなるなど、人数の増加とニーズの多様化により、訪日外国人向けのサービス関連市場は急成長している。
上記の状況の中、世界140カ国以上でビジネスを展開する電通グループと、就職や結婚、不動産など様々なサービスを展開するリクルートグループが相互の知見・ノウハウやネットワークを融合させることで、インバウンドマーケティング市場をさらに活性化させていけると判断し、両社は協業に至った。
そして、すでに両社は今回の発表に先駆け下記3つのプロジェクトを推進している。
1.観光地経営の視点に立って観光地域づくりを行う組織・機能「DMO」(Destination Marketing/Management Organization)のビジネスプロセス構築と実証
両社は、DMOを可能にするシステム環境の構築やコンテンツづくり、訪日外国人にとってストレスフリーな決済環境づくり、各種データに基づく施策の改善のためのPDCAスキーム、地域人材の確保・育成などに寄与するプロジェクトに取り組んでいく。
2.『HOT PEPPER 实惠游日』のコンテンツ力強化
リクルートホールディングスが発行する訪日中国人を対象にした季刊誌『HOT PEPPER 实惠游日』のコンテンツ力の強化・拡充に向け、両社でアプリケーション開発と広告枠のセールスを行っていく。
3.訪日外国人の位置情報やニーズに合わせたコンテンツの配信
リクルートホールディングスと電通のジョイントベンチャーであるブログウォッチャーが開発した「プロファイルパスポートSDK」を、訪日外国人に人気のアプリ内に実装する。これにより、各人の位置情報やニーズに基づくコンテンツ配信、クーポンなどのプッシュ配信が可能になる。また同SDKを実装することで、訪日外国人の属性や位置情報、配信結果などに基づくデータ分析も容易になる。
今後両社は、現在行っている3つの取り組みに加え、共同で訪日外国人向けマーケティングサービスの開発・提供を行っていく。
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