SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

「あのキャンペーン」の担当者に直撃!

動画は500万再生を突破! オーストラリアの雄大な自然を自撮りで伝える「G!GA Selfie」


もし事故が起きたら? 多岐にわたる事前準備を乗り越えて

MZ:施策の実施にはオーストラリア本国からの承認が必要だったと思います。その点はスムーズに進みましたか?

江原:初めての施策だったので、まずコンセプトやテクノロジーを理解してもらうのに苦労しましたね。何がどうおもしろいかを文化の異なる人々に伝えることは、多くの企業で共通の課題かとは思いますが。

MZ:江原さんは、どのように乗り越えたのですか?

江原:実施の理由について、それがただセルフィーを撮るのではなくて、メインとしてはオーストラリアのユニークセールスポイント、つまり雄大な自然やスケール感を撮ることであり、しかもそれがコンパクトに持ち歩けて拡散もできる、という点を理解してもらうようにしました。

 あとは、イベント時のリスクマネージメントが、オーストラリアはすごく厳しかったですね。想定しなければならない事態が多岐にわたるんです。日本であればイベント会社さんに安心してお任せできるのですが、今回は現地で初めての施策だったので、それを一つひとつつぶしていかなければなりませんでした。

MZ:想定しなければならない事態とは、例えばどういったことでしょう?

江原:極端な話、風が吹いて物が飛んできて、イベント参加者にぶつかったらどうする? といった細かな想定です。当然私たちも最悪の事態は考えますが、そのケーススタディがとても多くてびっくりしました。もちろん、会場は公共の場所で、観光地で、屋外。しかも週末で不特定多数の方がいる状況でしたから、人に迷惑をかけないようにしなければなりません。現地の役所なども巻き込んで安全対策を行ったので、そこに一番時間がかかり、苦労したところですね。

体験をテーマに訴求を続けたい

MZ:とても骨の折れる作業を通して、G!GA Selfieを実施させたのですね。では、今後は、どのような施策を行いたいとお考えですか?

江原:私たちは一貫して、ただ観光地を見て回るだけではない、体験をテーマにしたオーストラリア訴求を行ってきました。例えば、2年前に、Facebookページ上でファンの方からおススメ情報をコメントしていただき、それをもとにソーシャルガイドブックを作りました。また、昨年は最も支持があったメルボルンの情報をもとに3日間の観光コースをつくり、最後の1日は現地を紹介するライブ中継もしました。こちらはアーカイブに残っているので、まだご覧いただけます。

 昨年は、オーストラリアの食文化を知ってもらうFood & Wineのキャンペーン「美食大陸オーストラリア」を通し、日本の観光地ではなかなかできないこと、例えば、長靴をはいてタスマニアにある牡蠣の養殖場に入り、その場で獲れたてを食べるとか、夕焼けに染まったウルル(エアーズロック)を見ながら雄大な自然の中で食事をするツアーを紹介したり、国内では食べログさんやクックパッドさんと組んで、日本ではまだそれほど有名ではないオーストラリアの食を知っていただく取り組みもしました。

 2016年は“Aquatic and Coastal”というテーマで、まさに海や水辺の体験を中心に、SNSやVRを活用した訴求をしていきたいと考えています。

MZ:様々な取り組みをされるオーストラリア政府観光局さんのこれからの展開が、とても楽しみですね。本日は、ありがとうございました。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
「あのキャンペーン」の担当者に直撃!連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター
出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2016/09/26 16:03 https://markezine.jp/article/detail/25180

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング