国内外で大きな反響を得た「G!GA Selfie」
オーストラリア政府観光局が2015年に日本人観光客向けに実施したキャンペーン「G!GA Selfie」をご存知だろうか? その名の通り自撮り写真を雄大な景色とともに楽しめるというもの(下図がG!GA Selfieで撮影したもの)。旅先で良い写真を残したい観光客のニーズと、美しい自然をアピールしたいオーストラリア政府の考えがハマった事例だ。
投稿されたセルフィー動画の再生は500万を超え、国内外から多くの反響を得た同施策。カンヌライオンズの複数部門で受賞し、国内でもコードアワードにて、成果(売上、会員獲得、イベント参加者など)が伴ったマーケティングコミュニケーション施策に与えられる「ベスト・イフェクティブ」を受賞している。この施策の狙いはどこにあるのか? 「G!GA Selfie」を担当した同局の江原正恵氏に詳しい話を聞いた。
「知名度はあるのに、いつか行きたい国」止まりからの転換を
Marketzine編集部(以下、MZ):G!GA Selfieというユニークな施策について、その経緯や狙い、実行までのプロセス、結果までを詳しく伺いたいと思います。そもそも、G!GA Selfieを行った背景はなんなのでしょうか?
江原:昨年、2015年8月1日にカンタス航空が成田-ブリスベン線、羽田-シドニー線を就航したので、それを盛り上げるキャンペーンを行いたいと考えたことがきっかけです。昨年2月頃から考えていた中でのアイデアでした。
MZ:オーストラリアへの渡航者には様々な人がいるかと思います。どのような人にどのような行動をとってほしいと考えたのですか?
江原:観光局の活動の大きな目的は、オーストラリアへの観光客の誘致と渡航の喚起です。ですから、せっかくオーストラリアに来ていただくならば、いろいろなところで様々な体験をして楽しんでいただきたい。特に今回は、まだオーストラリアをよく知らない日本人を意識しました。
MZ:初めてオーストラリアに行く方への、現地体験の提案だったのですね。
江原:そうですね。オーストラリアという国は知名度もあり、行ってみたい国のベスト5にはいつも入っています。ですが、実際の渡航となると、割合が下がる傾向があります。そこをどう変換させるかが、いつもキャンペーンを組み立てるときのポイントになります。今回は、まずソーシャルやデジタルでバズを作って、オーストラリアというものをみなさんに広く知っていただきたいと思いました。