“サイト内”検索も、Googleと同じマーケティングの場である
マーケティングの世界で検索というと、検索連動型広告など“自社サイト外”の施策を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、実はサイト内の検索機能の活用も立派なマーケティングであり、これを認識できていない人が多いと山崎氏は語る。
「多くの企業は、サイト外での広告を活用した集客には注力していますが、サイト内でコンバージョン率を高めるための施策を軽視しています。しかし、実際は同じくらい注力しないと費用対効果は最大化されないはず。
中でも、効果的であるのに軽視されがちなのが、サイト内検索です。サイト外でもサイト内でも“検索はマーケティング”。お客様が離脱するリスクを下げるために、きちんと取り組むべきなのです」(山崎氏)
つまり、Googleやヤフーなどの検索エンジンに広告を投下するのと同様に、サイト内検索が重要なのだ。サイト内であっても、検索という“ユーザーのニーズが明らかになっている瞬間”に適切な対応をすれば、効果が上がるのは誰もが予想できるだろう。しかし、自分でそれに気がつくマーケターは意外と少ないという。
「サイトトップのデザインや、レコメンドなどはマーケティングの一環として取り組む方は多いんです。しかし、商品検索だけはなぜか、マーケティングという要素がすっぽり抜けやすいんですね。でも検索機能の出来が悪ければ、お客様が商品にたどり着けないので、当然、コンバージョンの数、確率は下がってしまうのです」(山崎氏)
「サイト内検索=マーケティング」に気づけない理由
多くの企業がサイト内検索をマーケティングに活用できていない背景には、上記の重要性を認識できていないことに加え、検索をただの一機能としてしか捉えていないという現実がある。
「検索を在庫管理、カード決済などと同様に一機能として認識していて、検索条件通りに表示できればいいと思っている方が多い。サイト内での施策として代表的なレコメンドやウェブ接客も重要ですが、検索に力をいれないのは相当もったいない」(山崎氏)
検索は、その瞬間に対する強いニーズであり、ユーザーの本質をついている。そのときにユーザーの欲しいであろう商品を出せば、高確率でコンバージョンに結びつきやすい。
一方、レコメンドは行動履歴をもとにしているため、今この瞬間のニーズとは限らない。そのため、検索に比べればニーズを外す可能性も当然高くなる。昨日はペットグッズを探していても、今日は洗車用品を探しているのかもしれないからだ。
「検索した瞬間は、ほぼニーズが顕在化しているといっても過言ではありません。ECサイトの中ではほとんど唯一の貴重なチャンスです。しかも、お客様が自ら欲しい商品条件まで入力してくれますから。
そして、サイト内検索は自社でコントロールできる広告だと思っています。出稿費用もかからず、顧客に検索結果で違和感なく提案ができる」(山崎氏)