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MOBILE PEOPLE厳選記事

“世界を狙う” C CHANNELが果たす「大きな約束」


 モバイルでイノベーションを起こす「人」と「仕事の舞台裏」にスポットライトを当てるMOBILE PEOPLEからの、厳選記事を紹介する本連載。第一弾はC Channel代表取締役社長の森川亮氏です。

 2015年に女子のためのファッション動画マガジン「C CHANNEL」を創業してわずか1年半あまり。誰もが手軽に取り入れられるおしゃれなファッションやメイクなどのHow to動画(※1)が人気で、今や月間リーチがグローバルで2億人(※2)のメディアに成長しています。森川氏がビジネスを成功に導く秘訣とは? 失敗はどう乗り越える? 未来に見据えているものは? FIVEの菅野圭介が聞きました。

左:C Channel 代表取締役社長 森川 亮氏 右:ファイブ 代表取締役社長 菅野 圭介氏

森川氏ならでは? 事業垂直立ち上げのための意思決定の方法

菅野:C CHANNELは月間リーチが2億人を超え、Facebookのフォロワー400万人のうち半数は海外のユーザーだとお聞きしました。国もタイ、台湾、韓国、中国、インドネシアにまで広がり、さらにベトナム、フィリピン、マレーシアでも準備が進んでいるとのこと。昨秋にはTVCMも放映開始されました。事業展開のスピード感がすごいですし、試行回数も多いですよね。どうしてそれだけ打ち手を多くできるんですか?

森川:経験が大きいかもしれません。元も子もなくてすみません(笑)。ただし、実現可能性が見えるというのはあります。どのような業界やテクノロジーにもアイデアは沢山ありますが、そのアイデアが具現化するまでの時間や具現化した時のインパクトというのが経験値によってわかるので、早く意思決定ができる。大事なことは失敗したときにリカバリーできるかどうかだと思っていますので、失敗できる余裕があるということかもしれません。

菅野:これまでにC CHANNELが経験した失敗には、どのようなものがありましたか?

森川:最初に外国人を沢山集めて投稿してもらい、その投稿だけで始めたらうまくいかなかったり、男性からモテていそうな女性の投稿で他の女性から反感を買ったりと、様々な失敗がありました。ある女性の投稿が「今日は久兵衛に行きました、今日はこんなバッグを買いました」という内容で、他の女性からみたら「何よこの人」となってしまったりですね(笑)。

菅野:それを失敗だったと判断するタイミングは?

森川:判断というより、当初あらゆるコンテンツを動画化して出してみたところ、コンテンツによって明らかに数字が違ったんです。そこで、数字が悪いものをやめて良いものにフォーカスしました。それが How to動画だったんです。

How to動画のイメージ

菅野:ユーザーの反応に向き合ったら、自然とHow to動画になっていったと?

森川:そうですね、その意思決定は早くしました。僕はなるべく議論するのはやめているんです。ありがちなのが、社内でディスカッションし、皆の意見を吸い上げて形にしていくやり方です。ただ、必ずしもディスカッションが大事かというと、それも一部の人の意見ですから。

 僕は女子たちからさんざん怒られて、森川さんは女子の気持ちをわかっていない、若い人たちの気持ちがわからないおじさんだとか、いろいろ言われました。でも、やってみるとその女子たちが言っていることも、また違ったりするんです。IT企業で働く女子が普通の女子なんだろうかというと、それも違うわけです。

 ですので、まあやってみないとわからない。その代わりに、ある程度やりきらなければならないというのはあります。少しずつやっていても、それが本当に間違っているのかわからないので、ある程度思い切って振ってみる。そうすれば、空振りになるかそうじゃないのかというのが、明確になりますから。なるべく議論をするのはやめて、可能性が高いものから順番に試し、うまくいったらそれをやる、ということを繰り返しています。

菅野:失敗パターンも織り込み済みのやり方をしているから、浅い失敗になっているということなんでしょうね。

森川:そうですね、失敗もテストなんです。

菅野:ある程度やりきるために大振りすると、振ったあとのモーションも大きくなるかと思います。それは社内の疲弊に繋がりませんか?

森川:はい、結構疲れていますね(笑)。ただ僕の経験上、会社にとって一番大事なのは成長し続けることで、暇で楽だけど成長しないというのが一番まずい。疲れても、とにかく次の成長を作っていくということです。

※1 How to 動画とは、様々な商品やカテゴリーのサービスの使い方やコツを伝える動画。文字での説明と比べて直感的に内容を理解することができる特徴を持つ。
※2 2017年1月時点

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この記事の著者

ファイブ株式会社 菅野 圭介(カンノ ケイスケ)

2008年にGoogle Japanに新卒一期として入社。買収後のAdMobの日本オペレーションの立ち上げ、YouTube広告製品等のプロダクトマーケティング・収益化・ビデオクリエイティブエコシステムの拡大を担当。2014年にFIVEを設立。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/05/04 00:11 https://markezine.jp/article/detail/25951

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