企業のデジタルシフトが進む現代。マーケティングにおいても、とかくデジタルに傾注しがちではないだろうか。そんな中でアナログの重要性に着目し、一石を投じる形で開催されたのが、2017年1月に東京と大阪で開催されたイベント「MarkeZine Day Special powered by 日本郵便 デジタルシフト時代を切り拓く『デジタル×アナログ』のあり方とは?」だ。果たしてトップマーケターと大手ベンダーたちは、デジタルシフト時代におけるアナログをどう捉え、どのように活用しているのか。デジタルとアナログを組み合わせることで生まれる、可能性に迫った。
トップマーケターはデジタル、アナログを等しく活用
第1部の登壇者は、大手企業のマーケターたち。マーケティングにアナログを活用し続けてきた彼らは、デジタルを活用しつつもアナログの重要性に言及する。日本マクドナルドの足立光氏は、「デジタルを活用する理由の一つは、マスの補完。日本ではいまだにマスが最も効率が良い」と、幅広い層をターゲットとする同社の見解を述べた。
デジタルにおいて同社のスマートフォン向けクーポンアプリは有名だが、折込チラシに代表される紙のクーポンも来店の後押しに有効だという。「たとえば山形では、使用されたクーポンに占める紙媒体の比率が3割を超えている。紙媒体が有効な地域、ターゲットがいる」と足立氏。あくまでもデジタルはマーケティング全体の一部として活用するという。
パナソニック コンシューマーマーケティングジャパン本部 クラブパナソニック運営部部長 中村 愼一氏
富士フイルム e戦略推進室 eマーケティンググループ 一色 昭典氏
「CLUB Panasonic」で会員数950万人を有し、デジタルで大きな成功を収めるパナソニックでもアナログの活用を進めている。同社の中村愼一氏は「会員属性やユーザーのロイヤリティでリストを抽出し、DMでイベントへ来場を促したケースでは、配信数の10%超にご来場いただけた」と言い、アナログを活用した施策を展開することで、高い成果をあげた実例を紹介した。
一方、本格的にデジタルマーケティングに注力したのは2016年からという富士フイルムが重要視したのが、「デジタル」ではなく「データドリブン」。同社の一色昭典氏は、「デジタルかあるいはアナログかという次元ではなく、どちらも等しく重要で、同じようにデータを元に進める必要がある」と、その思いを述べた。
当然だが、企業ごとにデジタルとアナログ、それぞれの活用法は異なる。その中でも共通するのが、デジタルとアナログを組み合わせて利用することで、より多くの顧客とより良いコミュニケーションを図ろうとしている点だ。
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押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)
メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長
立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...
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