位置情報活用に注目が集まったきっかけとは
MZ:年々位置情報の活用に対するニーズは高まっていると思うのですが、どういったことが背景にあると思いますか。
松岡:位置情報のわかりやすい事例は、昨年のポケモンGOのリリース、話題化だと思います。たとえば飲食店がポケストップになるだけで人が集まった話が有名ですが、送客や売り上げ向上に位置情報が貢献できることが証明された良い事例だと思います。

もちろん、ゲーミフィケーションと位置情報のどちらが貢献したかを検討する必要があります。ただ、人を送客する、よりブランドを好きになってくれる効果があるのであれば積極的に活用すべきだと私は考えています。
湊:やはりゲームとコラボレーションした取り組みは効果的だと思いますか。
松岡:目的とターゲットによると思います。ポケモンGOに関しては、ほぼ全ての世代に受け入れられているので例外ですが、ゲームは比較的ターゲットが決まっているので、その層にアプローチしたい際は有効ではないでしょうか。
イベントに位置情報を活用
MZ:確かにポケモンGOはインパクトが大きいかもしれませんね。キリンさんでは、2016年に位置情報を活用したキャンペーンにAIRTRACKを採用したと聞いています。どういったキャンペーンを行ったのですか。
湊:2016年12月6日(火)から12月25日(日)の期間限定で東京ミッドタウンにて実施した「キリン 午後の紅茶 WINTER MAGIC」での施策になります。東京ミッドタウンの周辺にいる方だけなく、過去の行動履歴から、東京ミッドタウンに来る頻度や時間帯に応じてセグメントを作成し、同イベントに関するクリエイティブを配信。セグメントごとの分析などを行いました。

MZ:このキャンペーンによる効果はいかがでしたか。
松岡:一定程度の方がAIRTRACKの広告を経由していることがわかりました。ただ、広告によって来た人数よりも、来場した方がどういった行動をしているのか把握でき、今後同様のイベントや店舗でペルソナを考えるデータが取れたことが大きいです。
MZ:実際に、計測によって得られたデータについて教えてください。
湊:AIRTRACKでは、来場したかどうかの計測はもちろん、来場した方の行動の傾向を探ることができます。

たとえば、広告が表示されていて、来訪した人の行動エリアを見ると東京都内の山手線圏内が中心だったのに対し、広告が表示されていたものの非来訪だった人は夜になると郊外に移動することが多いことがわかりました。これらの傾向をもとに、次の施策の仮説を立てることができます。
松岡:イベントに参加した方が、どういう方で具体的にどういった経路でたどり着いたのかを把握できるのは、今後の施策のプランニングにおいて非常に役立つ情報で、社内でも様々な知見が得られました。