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国内デジタルマーケティングのトレンドは「潜在層育成型」へ 効果測定の最新手法を大公開

2017/04/17 14:00

人口減少社会ではLTV(顧客生涯価値)の向上が急務

 一方、国内のマーケットに目を移すと、日本が抱える大きな課題ははっきりしている。人口減少と少子高齢化だ。

 2005年に1億2,700万人あった日本の人口は、2050年に9,500万人まで減るという予測がある。とりわけ若年層は1759万人から821万人にまで減少する見込みだ。多くの企業にとって市場規模が小さくなることは間違いない。

 ここで、とある企業において2005年の一人当たりの生涯価値、LTVが100万円だったと仮定する。2050年に人口が9,500万人にまで減ることで顧客も同様に減少し、この減少分を補うために一人当たりのLTVを上げるとする。

 この場合、LTVを134万円にまで向上させないと業績を維持できない計算になる。これほどまでに顧客単位で「LTVをいかに高めるか」という課題は深刻なものなのだ。

 もう一つの大きな課題は、日本人の働き方や生活の楽しみ方が変化しており、結果としてニーズが多様化していることだ。

 さらにもう一つ目立つのが、メディアの多様化だ。ひと昔まえまでは、みんなが同じテレビを見ていた。そのため、テレビを使って広告を打てば多くの人に届いた。しかし今は広告だけでなく、ソーシャルメディアや自社サイトを使って、潜在層に向けてアプローチして、消費者を育てなければならない。

 「企業と消費者をつなぐ道路みたいなものがメディアだとすると、今は道路が何本も何本もある状態。マスメディアという高速道路だけでなく、企業が作ったオウンドメディアや消費者が作るSNSのような小さな道がたくさんあり、何かを届けようとしても昔のやり方は通用しません。そんな状況を踏まえて、デジタルマーケティングをより戦略的に行う必要があります」(足立氏)

デジタルマーケティングの主戦場は顕在層から潜在層にシフト

 テクノロジーの変化、市場の縮小とメディアの多様化という背景を押さえたうえで、日本のデジタルマーケティングに起きている変化を見ていく。

 SEMやリターゲティングを実施して、既に商品に関心がある顕在層の顧客を刈り取る施策は近年非常に発展してきた。だがこの顕在層向け施策には多くのクライアントが殺到していて、レッドオーシャンとなりつつある。

 こうした顕在層向けの広告はすべてCPCが高騰してきている。また、そもそも顕在層は企業が必要とするよりも絶対数が少ないこともはっきりしてきている。単価が上がり、しかも十分な数のリーチも得られないために、同じ予算で同じ売上を上げることが極めて難しくなってきているのだ。

 そのため、顕在層ではなく潜在層にアプローチしなくてはならない流れが起きている。動画広告やコンテンツマーケティングを通じて、潜在層の課題を一つずつ解決してブランドの認知を獲得し段々に顕在層になってもらう、潜在層育成型マーケティングがトレンドになりつつある。

 ただ、これらの課題に対し、3つの問題をお客様から相談されることが多いと足立氏は続けた。

 第一は、潜在層向けの施策を比較し効果を測定するための指標がわからないことだ。顕在層向けであればCPAのようなわかりやすい指標があるが、潜在層向けにはそのような指標があまり知られていない。

 第二は、カスタマージャーニーマップを作って実行しても、どのジャーニーがよかったのかが結局わからないことだ。

 第三は、想定しているよりも少し広い層にアプローチする場合にヒントが少ないこと。A・B・CのメディアのCVRを調べて最もスコアがよいものを選ぶのは簡単だが、広い層にアプローチするには「この辺りに顧客がいるのではないか」や、「顧客はこういうインサイトがあるのではないか」と想像して施策を打つ必要があり、CVRとは別のヒントが必要になる。

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