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PVよりも「必要な人に届くこと」が重要 ナイル實川氏が語るコンテンツマーケティング

2017/05/12 12:00

 2017年3月1日〜3日に開催された「MarkeZine Day 2017 Spring」の2日目最終セッションでは、「今こそ考えたいコンテンツマーケティングの本質」と題し、ナイルの實川節朗氏が登壇した。コンテンツマーケティングへの関心の高さが物語る満員となった同セッションでは、コンテンツマーケティングの歴史を振り返りつつ、今後のあり方について具体的なプレゼンテーションが行われた。

信頼性が問われる「コンテンツマーケティング」

 ナイルは、ネットメディア事業とWebコンサルティング事業を両軸に、SEOやUXの分析、コンテンツ力を活かしたWebサイト運営を強みにした企業であり、コンテンツマーケティングに関しての様々な知見を持つ。今回登壇した實川節朗氏自身も、これまで300以上のサイト改善をコンサルタントとして手がけている。

ナイル株式会社 Webコンサルティング事業部 ユニットマネージャー 實川 節朗氏
ナイル株式会社 Webコンサルティング事業部 ユニットマネージャー 實川 節朗氏

 本セッションが全体を通じて問いかけていたのが、「ターゲットの心を動かし、ビジネス貢献のためのコンテンツマーケティングとは?」である。

 序盤は、ここ5年のコンテンツマーケティング周辺の潮流を振り返ることから始まった。

實川氏がまとめた、コンテンツマーケティングの歴史
實川氏がまとめた、コンテンツマーケティングの歴史

 2012年は「LIGブログ」「サイボウズ式」「経営ハッカー」「弁護士ドットコムニュース」といった、今も存在感を放つコンテンツ、メディアが立ち上がった先がけの時代。クラウドソーシングサービスが普及を始めた時期とも重なる。

 實川氏は「2013年が『コンテンツマーケティング』という言葉が頻繁に言われ出した時期で、2014年には『そろそろ取り組まねばならない』という論調にまで変わった」とした。そして2014年から2015年にかけて、最盛期を迎えていく。

「2014年にDeNAがmeryとiemoを買収した頃から、キュレーションメディアバブルが始まりました。2015年にはwelqが開始します。同時期は、人工リンク中心のSEOが難しくなっていき、コンテンツを無数に増やして検索されやすくする“コンテンツSEO”というキーワードが出てきた時期でもありました」(實川氏)

 オウンドメディアが続々と立ち上がりながら、2015年後半からは成熟市場へと移り、徐々に淘汰が起きる。

「2016年末から2017年以降は、ネットへの信頼の問題や、信頼できるコンテンツづくりが如実に問われる時代へと突入したと言えます」(實川氏)

コンテンツマーケティングは、メディアビジネスではない

 2016年末にクローズアップされたのが、「キュレーションメディア」である。コンテンツマーケティングにとっては、Webメディアのわかりやすい成功例であり、記事広告など企業のメディア参入を加速させた「功」ももたらしている。だからこそ、「罪」にも目を背けられない。2017年2月には、Googleが日本語検索のアルゴリズムについて「オリジナルで有用なコンテンツを持つ高品質なサイトが、より上位に表示されるようになる」としたアップデートの発表もあった。

實川氏がまとめた、キュレーションメディアの功罪
實川氏がまとめた、キュレーションメディアの功罪

「クラウドソーシングを使って質の低いコンテンツが流通するWeb、といった図式ができてしまいました。また、PV偏重の評価も染みついてしまい、ユーザーや企業にこれらの図式が刷り込まれたのは、コンテンツマーケティングにとって大打撃です」(實川氏)

 PVにまつわることとして、實川氏はコンテンツマーケティングとメディアビジネスについて、ビジネスモデルの違いを整理した。

コンテンツマーケティングは「メディア」である必要はない
コンテンツマーケティングは「メディア」である必要はない

「メディアビジネスは広告モデルで、ある程度PVが求められます。自社を主体に展開するコンテンツマーケティングは、そもそもPVが目的ではありませんが、どの指標で評価すべきかわからないため、PVで評価が決められがちでした。コンテンツマーケティングで大事なのは、自分たちのターゲットユーザーが信頼してくれて、自社サービスを買ってくれること。PVを稼ぐのではなく、必要な人に届いているかが重要です。極論を言えば、オウンドメディアを持たなくてもコンテンツマーケティングはできるのです」(實川氏)

コンテンツで「心を動かす」ことが目的
コンテンツで「心を動かす」ことが目的

 實川氏は、コンテンツマーケティングの本質とは「○○と言えば、この会社/人/サービスとなる体験をつくり出すこと」だとする。新たな行動が促される心を動かす“コンテンツ”とビジネス貢献の要素が組み合わさる必要があるのだ。

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