ランサーズは4月19日、新たな成長戦略である「Open Talent Platform」構想を発表した。その実現に向けて複数の新事業を展開していく。
テクノジーの力で誰もが自分らしく働ける社会へ
「Open Talent Platform」構想とは、テクノロジーで個人の働き方の可能性を広げ、スキルと仕事の効率的なマッチングによって生産性を向上させるというもの。その実現のための新規事業として、企業のマーケティングを支援する事業部を分割承継した新会社「クオント株式会社」を設立。その他、総合型スキルシェアリングサービス「pook(プック)」のβ版を6月にローンチ。クラウドソーシング事業においても、トップクラスのフリーランスと仕事ができるプラミアムサービス「LancersTop」のローンチを夏に予定している。
4月からは京都大学と産学共同研究を開始。機械学習によって個人の仕事に関するデータを解析し、スキルや仕事のマッチング精度を向上させる仕組みづくりの研究を行う。また、「Open Talent Platform」を支える独自のテクノロジー「LANCERS SMART DATA TECHNOLOGY」を構築していく。
4月19日に開かれた新事業戦略発表会で、ランサーズ代表取締役社長の秋好陽介氏は「ランサーズはクラウドソーシングという単一の事業を行ってきたが、これからはリアルの仕事もマッチングしていく。さらにハイレベルの仕事もマッチングしていく。その根幹に『LANCERS SMART DATA TECHNOLOGY』というAI技術を使い、テクノジーの力で誰もが自分らしく働ける社会を作ることにコミットしていく」と話した。
デジタルマーケティング事業強化の新会社設立
ランサーズでは、法人向けサービス「Lancers for Business」にて、クラウドソーシングを活用したデジタルマーケティング支援事業を行ってきた。さらにデジタルマーケティング事業を強化していくため、当該事業を分割承継し、クオント株式会社を新設するに至った。
クオント社にはマーケティング各領域の専門性を持ったチームがあり、ランサーズの抱えるフリーランスのクリエイターと協同する形でクライアントにソリューションを提供していく。加えて、昨年リリースしたコンテンツ&クリエイターマネージメントシステム「Quant(クオント)」を介して蓄積したマーケティングデータを活用することで付加価値を高めていく。
具体的には、蓄積された3,000人のクリエイターデータ、1,000万超のコンテンツデータ、コンテンツに接触している2億超のユーザーIDデータを統合的に分析することで、制作物のマーケティングに対する貢献度を定量的に見える化することができるという。たとえば、フリーランスのライターごとに、執筆担当した記事の閲覧数や読了率、シェア数などがわかる。さらに、その記事を読んだユーザーの興味・関心や他にどのようなカテゴリーの記事を読んでいるのかもわかる。これにより、企業はマーケティング活動に必要な制作物を発注する際に、どのクリエイターに依頼すればより成功確率が上がるのかを判断することができる。
クオント株式会社の代表取締役社長に就任した足立和久氏は「クオントとは『Quantify the Talent』の意味。クリエイターの才能を可視化してクライアント企業のマーケティングプロセスを定量化することで、事業の支援を付加価値高く行っていきたい」と展望を語った。
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