感情パフォーマンスをマーケティングに活用する
動画を見た視聴者の表情から感情を測定するサービスが開発された。欧州のベンチャー企業が提供するサービス「リアルアイズ」は、Webカメラに写された視聴者の表情をコンピュータービジョンとマシンラーニング(機械学習)で読み取り、感情を分析するというもの。
ハイネケンやLGをはじめ、世界のトップブランドメーカーや広告代理店は、既に企業のマーケティング活動などに利用している。ソーシャルメディアでの「いいね!」や「シェア」がキャンペーン成功のカギを握る中、視聴者の感情パフォーマンスを知ることは重要な意味を持つ。
このサービスは主に、動画のクリエイティブ・テストやメディア・プランニングに利用されている。利用者はまず、動画をリアルアイズのダッシュボードにドラッグ・アンド・ドロップし、調査対象の地域や視聴者の分類を選ぶ。リアルアイズは調査会社を通じ、対象となる視聴者を提供。これらの視聴者は自分のデバイスで動画を視聴し、直接反応を示す。このとき、「フェイシャル・コーディング・アップ」というアプリケーションがWebカメラに写された視聴者の表情を読み取り、マシンラーニングでこれを分析する。その結果は、ほぼリアルタイムでダッシュボードに示される。
分析結果はレポートにまとめられる。同レポートでは動画コンテンツのメディア・ポテンシャルを1から10の点数で評価。複数のコンテンツを比べる場合は、コンテンツのランキングが示される。さらに、統計分析により地域別、性別、年齢別でどの層が最も良い反応を示したかがわかり、新たな視聴者の発見やターゲットの最適化に役立てることができる。感情の変化は1秒1秒追跡できるため、コンテンツのどの部分が効果的でどこが不足だったのかも明らかになる。
この結果を見て、企業は視聴者の反応が良かったコンテンツへの投資を増やす一方、パフォーマンスの低かったコンテンツへの投資を削減。限られたキャンペーン予算を効率的に分配できるのだ。