SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

マーケターのためのアプリデータ活用入門

なぜメルカリはリテンションを重視するのか アプリ市場への新規参入者が見るべき指標と競合調査のコツ


 ノンゲームアプリを上手に活用している企業や専門家へのインタビューを通して、現場ですぐに使えるノウハウをお伝えする本連載。3回目は、新たにアプリ市場に参入する企業や、既存のアプリを新たな市場に展開する企業が成功率を上げる方法について、App Annie滝澤琢人氏がメルカリのデータサイエンティスト石附拓也氏にお話を伺いました。

アプリ市場への新規参入を成功させるためには

 消費者にアプリを使う習慣が浸透し利用時間が増える一方で、アプリストアで提供されるアプリの数は増え、ユーザーに選んでもらうハードルは上がっています。また、ユーザーが頻繁に利用するアプリは固定される傾向にあり、そこに割って入るのは難しくなっています。

 今回は、こういった状況を踏まえて、新たにアプリ市場に参入する企業や、既存のアプリを新たな市場に展開する企業が成功率を上げる方法について、パブリッシャーへのインタビューを交えて、紹介したいと思います。

 今回インタビューさせていただいたのは、フリマアプリを提供するメルカリのデータサイエンティスト石附拓也さんです。メルカリが米国市場へ進出した際にどのようにデータを見ていたのかをうかがいました。(インタビューは2016年に実施されたものです)

リテンションはユーザーがメルカリに価値を感じていることの証し

――メルカリが米国進出にあたってApp Annieを通じて外部のアプリデータを調査したのは、どのようなきっかけによるものだったのでしょうか。

石附:メルカリが米国に参入したとき、市場における自分たちの立ち位置がわからず、市場データが必要だと感じました。最初の課題は「他社がどういう動きをしているのか」、そして「メルカリは他社の動きとどう関係しているのか」を知ることでした。

株式会社メルカリ データサイエンティスト 石附拓也氏
株式会社メルカリ データサイエンティスト 石附拓也氏

――アプリのパフォーマンスをはかるための指標は多くありますが、その中で特に重要視している指標はどれですか。

石附:特に重視している指標は、ユーザーのリテンション(継続率)です。サービス内にユーザーが残ることが一番大事だからですね。導入前から自社のリテンションは重視して見ていたものの、他社との比較はできていませんでした。 App Annieを導入したことによって、自社のリテンションが他社に比べて高いのか低いのか、相対的にわかるようになったのは一つの利点です。経営層からリテンションに関連した質問が飛んできても、数値で答えられるようになりました。

――リテンションはメルカリにとってどういう意味を持っているのでしょうか。

石附:リテンションはユーザーがアプリに価値を見出したときにのみ向上します。デイリーのアクティブユーザー数というのは、たとえばプッシュ通知を打てば上げるかもしれません。しかし、プッシュ通知を打ちすぎると、ユーザーは嫌がりアプリを削除してしまう可能性もあります。メルカリでは、ユーザーがメルカリに価値を感じ、継続的に利用してくれているのかを見るためリテンションを重視しています。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
競合調査は、複数の指標チェックと実際に使ってみるのがベスト

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
マーケターのためのアプリデータ活用入門連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

滝澤 琢人(タキザワ タクト)

 App Annie 日本代表ディレクター
 1996年に自ら起業し、ウェブプロダクション、データセンター、EC、 オンラインゲームの運営、パブリッシング事業など、B2B、B2C、IT・ デジタルメディア分野で 様々なレイヤーの事業創出を17年間経験。2014年3月より日本の新規営業・ 事業開発担当としてApp An...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2017/07/05 10:11 https://markezine.jp/article/detail/26702

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング