ポイント1:市場データを元に正しいベンチマークを設定する
今回の石附さんのお話では、新規参入における重要なポイントがいくつか述べられていると思います。まず一つ目は、ベンチマークを正しく設定するということです。
新しい市場では、どういうアプリが支持されていて、それぞれのアプリがどれくらいのダウンロード、利用者、収益を得ているのかという直感を持ちづらいものです。そのため、ターゲットも設定するのが難しくなってしまいます。だからといって、やみくもに施策を打っていると、まったく意図していなかった方向に向かってしまいかねません。
メルカリの事例ではリテンションを重要KPIとして設定し、それを基準に他社との比較をしています。まず、このように明確にKPIを設定し、それを基準に他社と比較をすることで、誰を追いかけるべきなのか、どのくらい差があるのかがわかります。
またメルカリでは、ユーザーのデモグラフィック情報も見ることで、より明確にベンチマークを絞り込んでいます。このように自社のKPIやターゲットとするセグメントを決めて、競合と比較を行うことで、自社の目指すべき数値や現在のポジショニングが見えてきます。何もわからない新しい市場だからこそ、目印となる旗を立てることが重要です。

ポイント2:他者の成功や失敗から学ぶことで、PDCAを加速させる
次に重要なのは、他社の成功、失敗から学ぶということです。新規参入者は市場への知見が十分にないため、どうしても既存のプレーヤーに後れをとってしまいます。そこで、一気に他社に追いつくためには、自社の経験だけでなく他社の経験から学ぶのが早道です。
いまや、A/Bテストなどを通してトライ&エラーからマーケティング施策や機能を最適化していくのはデジタルマーケティングの世界ではあたりまえですが、そこにさらに他社の成功例や失敗例からの学びを加えていくことで、最適化を加速できるのではないでしょうか。

新規参入というものはリスクも多く二の足を踏んでしまう部分もありますが、このようにデータを見ることで、そのリスクをできるだけ下げて、成功確率を上げることができるのではないでしょうか。