属人的なシステムが、中小企業のデータ分析を阻む
これまで中小企業におけるデータ分析が進んでいなかった背景には、どういった理由があるのだろうか。増山氏は「業務の属人的な対応に原因があるようだ」と考える。
「中小企業のご担当者様のほとんどは、他の業務と並行して分析業務にあたっています。また、仕入れや売り上げの予測を経験や勘に基づいて行っているという企業も多いのではないのでしょうか」(増山氏)
たとえば、どのくらい仕入れをしたらいいのかという需要予測を、現場を知るキャリアの長い担当者の経験や勘に任せる。よくあるケースだと思われるが、仮に予測の当てはまりが良い場合でも、その担当者が不在となってしまった時どうなるだろうか。経験や勘で予測されていては、他の人による対応ができず、機会損失にもなりかねない。
また、ExcelやAccessのスキルが高く同ソフトで分析を行っているという場合も、分析ではなく集計止まりになっていることがあるそうだ。このケースもまた、スキルのある担当者が変わってしまうと再現性が担保できない。つまり、属人的な対応がリスクとなるのである。
「人材がいないのでと属人的な対応をしていると、さらに人材の流動に弱いシステムとなってしまいます。分析ツールを導入することでプロセスを構築し、企業の資産として管理することがビジネスの成長にもつながるのではないでしょうか」(増山氏)
統計分析初心者へ向けたトレーニングを支援
もちろん分析ツールを導入しただけでは、効果的なデータ活用にはつながらない。データが分析できる人材を育てる必要がある。
そこでSASは、統計が初めてという担当者が自宅でも自己学習できるよう、無料の統計ソフトウェア「SAS University Edition」を用意している。「SAS University Edition」の使い方を学ぶチュートリアルはWebでの無料公開もされている。各種有償のトレーニングコースがあり、SASのソリューションを実際に触って統計を学ぶことが可能だ。担当者が自分で分析できるようになるまでサポートは続く。また、統計の知識はあるが同社のソリューションの使い方がわからないといった場合や、分析を実務に落とし込みたいという要望にも対応できる環境を整えている。