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「メールのCVRはあえて見ない」ユナイテッドアローズ流、顧客視点のCRM×メールマーケ術

2017/12/13 10:30

 9月13日にチーターデジタル(旧・エクスペリアンジャパン)が開催した「Back to Mail Marketing 2017」では、メールマーケティングに関する様々な最新事例が紹介された。本記事では、「CRM×メールで実現する『長期的な関係構築』のための戦略」をテーマに、株式会社ユナイテッドアローズ(以下、ユナイテッドアローズ) デジタルコミュニケーションチームリーダーの安藤彩子氏が登壇。同社がCRM戦略の中で実践しているメールマーケティングが紹介された。

総会員数330万 ハウスカードを使った顧客との関係構築

 ユナイテッドアローズは、コンセプトの異なる19のストアブランドを全国に250店舗展開している。同社ではCRMへの取り組みとして、2007年に独自のポイントプログラム「UNITED ARROWS LTD. HOUSE CARD(以下ハウスカード)」を開始し、これまで顧客とのコミュニケーション基盤を築いてきた。

 運用から11年目を迎え、現在の総会員数は約330万人。その内直近1年間に購入のあったアクティブ会員は約130万人、ハウスカード利用の購買回数シェアは約60%で、購買単価は非会員の約1.5倍という状況だ。

 ハウスカードでは、ポイントサービス、会員優待などのサービスを提供。カードの特徴として、全ストアブランドor全社共通のサービスと、ストアブランド別のサービスを用意しており、共通ではグレードアップ特典として、貯めた獲得ポイント数でステージを「ベーシック」・「ファースト」・「セカンド」・「プレミアム」に分け、各ステージに応じたサービスを、また、ストアブランド別にはエクストラサービスとして、ブランドオリジナルのサービスを提供している。

 2016年8月にはこの会員サービスを刷新し、ハウスカード会員と「UNITED ARROWS LTD. ONLINE STORE」(以下、オンラインストア)の会員IDを統合。これにより、それぞれの会員サービスが共通化され、リアル店舗とオンラインストアの購買データを結びつけた顧客分析ができるようになった。

ユナイテッドアローズ 安藤 彩子氏
ユナイテッドアローズ 安藤 彩子氏

 この会員サービスリニューアルを指揮したのが、デジタルマーケティング部 デジタルコミュニケーションチームのリーダー安藤彩子氏。安藤氏がCRMに取り組み始めたのは10年ほど前から。前職は外資系下着メーカーのトリンプで、ポイントカードの運用から始まり、CRMシステムリプレイス、サービス刷新を実施してきた。

 その後、産業技術総合研究所との共同研究で、ポイントカードを通し蓄積された購買データ、顧客データの分析することになり、分析領域に携わることになったという。ユナイテッドアローズに入社後は、ハウスカードを用いたCRMにおける戦略・戦術のプランニングをメイン業務としている。

CRM活動のゴールは「生涯顧客化」

 ユナイテッドアローズのCRMにおけるビジョンは、「お客様に愛され続ける商売を実現するためにハウスカード会員様をより深く理解し最適な会員サービスを提供する」だ。

 「CRMではお客様との適切な関係構築を図っています。それはお客様を知ることから始まります。つまり、お客様に寄り添って深く理解する姿勢をもつことがCRMを行う上で最も重要なポイントです」(安藤氏)。

 そのビジョンに向け、「ハウスカード会員の新規獲得・維持・育成を行い顔と名前のわかる(=ロイヤルティの高い)ハウスカード会員様を増やす」ことをCRM戦略として掲げている。

 主な活動は次の通りだ。

  1. 会員の購買履歴・顧客情報を分析、顧客を基点としたマーケティング活動
  2. 新規会員の獲得

 1.に関しては、ハウスカード会員がアクティブな状態であることを維持することで、顧客ロイヤルティの向上、各ストアブランドとファンのつながり強化を支援する。2.では、「●万人の新規顧客獲得」というような根拠のない目標を立てるのではなく、会員の“新規休眠比率”を把握し、「休眠離反の数」と「新規顧客獲得数」のバランスを見ている。

 「活動のゴールは、“生涯顧客化”を実現すること。KGIは顧客ロイヤルティ(LTV)としています。継続年数・利用頻度が高いことがロイヤルティの高い状況だと考えているため、金額ではなく独自の計算式でLTVを計算しています。普段月次で追いかけているのは、『維持率・新規会員数』からなる稼働会員数です。特に重要だと捉えている維持率の推移は細かく見ています」(安藤氏)。

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