テクサーは、展示会データ解析システム「Exas」を用いた、展示会来場者の位置情報や動線を含む定量的なデータ解析サービスの提供を11月1日に開始する。
同システムを使うと、iBeaconによる高精度の測位技術を利用して「展示会来場者が会場内において、いつどこにいたのか」という、従来の運営システムでは得られない詳細な情報を取得することができる。
従来の展示会の運営では、主に受付時点での情報をもとにした来場者数および属性の集計と、来場者および出展者に対する満足度調査によって、その展示会全体の成果や効果を曖昧な形でしか評価できなかった。特に出展者は「来場者の名刺をどれだけ多く収集するか」という本質的ではないデータからしか、個別の展示の成果や効果を定量的に確認することはできなかった。
「Exas」を用いて展示会来場者の動態を定量的に収集して解析することにより、各出展ブースの集客力が具体的な数値によって評価可能になる。またこれらのデータを継続して収集することによって、従来は不可能であった定量的・客観的なデータに基づく展示の高品質化に向けた改善プランの提案が可能となる。
具体的には「Exas」の導入によって、以下のような機能が実現できるという。
展示会全体、テーマ・ゾーンごと、出展ブースごとの来場者の正確な統計量の取得
来場者の総数や時間帯別の滞在者数、会場内での滞在時間の平均や分布が得られる。同時開催のセミナーやカンファレンスおよび商談スペースなどについても同様だ。さらに、同じ会場における、別の展示会からやってきた来場者の移動に関しても正確な統計量が得られる。
ヒートマップ分析と表示
展示会全体での来場者数や滞在時間をもとにした、ヒートマップ分析と表示が可能。会場内における来場者の動態を可視化することによって、主催者は会場全体でのリソース配置を最適化できる。
来場者アクティブ度分析のためのデータ取得
来場者が実際に訪問したゾーンやブースの数および滞在時間などから、来場者のアクティブ度や興味度の分析が可能。来場者の質の評価や関心の度合いなども見える化できる。
インドア・ナビゲーション・システムとの組み合わせによる機能アップ
- 会場のデジタルマップを利用して、訪問したいブースなどの検索とナビゲーション
- パンフレットやカタログおよび製品資料のオンデマンド配信
- 展示やセミナーの検索およびプログラム表示とプッシュ広告
- 多言語での情報提供
「Exas」は、開発元の中国HiExhibition社によって、すでに40以上の展示会で30万以上の来場者IDを解析した実績があるとのこと。テクサーはHiExhibition社が提供する展示会データ解析システムの国内独占販売権を獲得している。
2017年9月に、けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)で開催された「京都スマートシティエキスポ2017」において、京都中央信用金庫の協力のもとに日本国内で初の実証実験を実施し成功を収めたことで、日本国内における本格的なサービスの提供を開始するに至った。
価格は、来場者数、出展者数、開催日数などにより見積もりとなっている。
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