※本記事は、2017年11月25日刊行の定期誌『MarkeZine』23号に掲載したものです。
すべての「人を動かすコミュニケーション」はプレゼンである
先日、カメラを買おうと思い、家電量販店に出かけた。店頭に陳列されていたある商品が気になり、近くにいた店員に声をかけ説明を求めた。するとその店員は、商品の詳細とともに、それがどんなに素晴らしいかを、こちらが尋ねていないことを含め滔々と語り始めた。彼の熱弁を聞くうちに、思わず私は「買います」と宣言してしまっていた——。似たような経験がある人は少なくないと思われる。
このとき、その店員は見事に商品の“プレゼン”を成功させたといえる。
プレゼンといえば、会議室などで大勢の人の前で話をするようなイメージを持つ人が多いのではないか。だが、広義のプレゼンが意味するのはそれだけではない。自分の意図や考え、企画の内容や価値などを正しく相手に伝え行動を促す行為全般を指す。取引先との打ち合わせ、チームメンバーに対するレクチャーなど、ビジネスシーンで発生するコミュニケーションのほとんどが“プレゼン”であるといっても過言ではない。
本書『マイクロソフト伝説マネジャーの世界NO.1プレゼン術』には、そんな、様々な場面で役立つプレゼンの力を向上させるヒントが示されている。メインは一般的な大勢の人の前で話すプレゼンテーション術だが、構想、構成・ストーリー作成に加え、好印象を与える姿勢など、あらゆるノウハウを網羅している。
著者の澤円氏は日本マイクロソフト株式会社マイクロソフトテクノロジーセンターのセンター長。プレゼン回数は年間200回以上を数え、登壇したイベントでは常に最高の評価を得ているという。2006年にはそのプレゼン力が評価され、ビル・ゲイツ氏が全世界のマイクロソフト従業員約10万人の中からトップクラスの成績を収めた者に与える「Chairman’s Award」を受賞している。
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