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定期誌『MarkeZine』BookNavigator

マイクロソフト社員10万人の頂点に立ったプレゼンターが指南する「ワクワク」を伝える技術

「ハッピーな未来」を想像させることで相手を動かす

 プレゼンの目的は、正確な情報を伝えるだけではない。たとえ淀みなく流暢に話せたとしても、聞いた人に何も感じてもらえなければ意味がない。良いプレゼンとは、聞き手の中に何かを残し、行動を引き出すものだ。それゆえ、どんなプレゼンでも、まずは「相手からどんな行動を引き出したいのか」を考えるのが基本となる。

 では、行動を引き出すにはどうするか。本書では、聞き手に「(自分が)ハッピーな未来」を想像させることが大切だと説く。人が何か行動をする究極の理由は「○○をすればハッピーになる」だからだ。聞き手が求めるものをリアルに想像することで、その○○とは何かがわかるはずだ。

 たとえば澤氏はあるとき、新聞広告で集まった60代以上の人たちにITの話をしてほしいと依頼を受けた。しかし、「ITに詳しくなるのは大事ですよ」といった一般論を伝えたところで、この聞き手たちはまず興味を持ってくれない。

 そこで澤氏は、聞き手が何を求めているのかをイメージし、その目的を達成する手段としてITの話をする、という構成のプレゼンを用意することにした。「ITに詳しくなると、孫と一緒に家電量販店に行ったときに、いろいろと教えてあげられますよ。そうすれば孫にスゴイと思われますよ」といった具合だ。

 つまり60代の聴衆は「孫に喜ばれる」というハッピーな未来を想像させられることで、興味がなかったはずのITの話を“自分ごと”と捉えられるようになる。そして、しっかり耳を傾け、行動してくれるようになるのだ。

優れたプレゼンは、ワクワクを伝染させる

 さらに澤氏は、プレゼンの出発点には「ワクワク」がなければならないと断言する。

 そもそも自分がワクワクしていないものについて話しても、別の誰かに興味を持ってもらうのは無理がある。冒頭の家電量販店の店員を思い出してほしい。あのような熱心なプレゼンになるのは、店員自身がその商品に惚れ込み、ワクワクしているからだ。しかし澤氏によれば、意外にも多くのプレゼンターが「あなたが話すテーマのどこにワクワクしていますか?」と聞かれて、すんなり答えられないのだという。

 したがって、プレゼンしなければならないときには、「どこにワクワクしているのか」を自問することから始めるといい、と澤氏は言う。その答えが、そのまま自分がプレゼンで伝えたいテーマになる。優れたプレゼンターは自分のワクワクを聞き手に伝染させているのだそうだ。

 優れたプレゼンターとして真っ先に思い浮かべるのは誰だろうか?

 おそらく故スティーブ・ジョブズ氏や、ソフトバンクの孫正義氏などの名前が挙がるに違いない。彼らの魅力的なプレゼンは、きっと途方もないほどの準備の積み重ねによるものだろう。おいそれと真似できるものではない。

 だが、彼らのプレゼンの出発点もまた「ワクワク」であることは間違いない。誰しもそこから第一歩を踏み出せばいいのだ。

情報工場は厳選した書籍のハイライトを3,000字のダイジェストで配信するサービス「SERENDIP(セレンディップ)」を運営。国内書籍だけではなく、まだ日本で翻訳されていない海外で話題の書籍も日本語のダイジェストにして毎週、配信。上場企業の経営層・管理職を中心に8万人超のビジネスパーソンが利用中。

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MarkeZine(マーケジン)
2018/06/07 10:50 https://markezine.jp/article/detail/27437

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