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海外カンファレンスの歩き方

イノベーションを生み出す「混乱と熱気」。 街全体を会場に見立てた巨大カンファレンス、SXSW。


 マーケティング先進国の欧米と比べると、日本のマーケティングは10年遅れていると言われています。感度の高いマーケターは、競合と差をつけ、グローバルでの戦いに勝つために、最新の情報を得る目的で海外カンファレンスに参加しています。その一方で、言葉の壁もあり、海外カンファレンスに参加してみたいとは思っていても、いま一歩踏み出せずに躊躇している人も多く存在しています。本連載では、業界の有識者がオムニバス形式で、マーケターが参加すべきおすすめの海外カンファレンスを紹介していきます。第7回目は多摩美術大学教授の佐藤達郎氏による、「SXSW(South by South West)」の紹介です。

SXSW(South by South West)の概要

イベント名:SXSW(South by South West)

開催時期:毎年3月頃

場所:米国オースティン市(テキサス州)

概要:「ミュージック」「フィルム(映画)」「インタラクティブ」と大きく3つのパートから成り立つ大規模カンファレンス。ここで取り上げるSXSWインタラクティブだけで20,000人超、テクノロジー関連ベンチャー、様々な新規サービス開発者、広告主、広告代理店等幅広いプレーヤーが参加する。近年、日本からの参加者も飛躍的に増加している。

レベル:テクノロジー、クリエイティブ、スタートアップ

URL:https://www.sxsw.com/

「近未来」に触れるなら、ここだ!

 SXSW。いったいなんて読むのでしょう? 最初のSがサウス、次のXはバイ、次のSはサウス、最後のWはウエスト、「サウス・バイ・サウスウエスト」と読みます。これは「南南西」の意味。有名な映画『北北西に進路を取れ』の北北西は、ノースバイ・ノースウエストです。アメリカ東部の大都市から見て、開催地が南南西にあるから、ということでしょう。実際、SXSWのロゴには、左下辺りを指した矢印もあしらわれています。 

 このSXSWは、“Twitter”が最初にブレークした場所として、つとに有名です。HuluやPinterestも、初期に注目されたのはココだといいます。元々は、ミュージックのフェスティバルで、映画を対象とするフィルムのカンファレンスも同時期に開催されます。また会期中、大規模なトレード・ショウ(新サービスの展示会場)も設置されていて、数多くの出展社が自社サービスを世に問うています。日本からも10社近くが参加。遠目にも目立つ大きな大きな日の丸のもと、楽しそうに、しかし真剣に自分たちの開発した技術やサービスを来場者に披露したりしています。

 たとえばカンヌ・ライオンズ等で見ることができるのは既に行われた施策であり、“最新のイマ”ですが、ここでは “近未来”を見ることができます。玉石混交の部分もありますが、“コレカラのヒント”を見るならここSXSWだと言えるでしょう(※記事中の数字等のデータはすべて筆者がSXSWを訪れた2013年のもの。日々進化するSXSWの現状については、最新のものをご自身でご確認ください)。

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この記事の著者

佐藤 達郎(サトウ タツロウ)

多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論/メディア論)。2004年カンヌ国際広告祭フィルム部門日本代表審査員。浦和高校→一橋大学→ADK→(青学MBA)→博報堂DYMP→2011年4月 より現職。
受賞歴は、カンヌ国際広告祭、アドフェスト、東京インタラクティブアドアワード、ACC賞など。審査員としても、多数参加。個人事務所コミュニケーション・ラボにて、執筆・講演・研修・企画・コンサルなども。また、小田急エージェンシーの外部アドバイザー、古河電池の社外取...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/01/22 09:20 https://markezine.jp/article/detail/27538

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