Instagramの新機能「ハッシュタグのフォロー」とは
引き続き女性を中心にユーザーが増加しているInstagram。Instagramに投稿した際に見栄えが良いことを指す「インスタ映え」という言葉は2017年の流行語大賞にも選ばれました。
機能面では2016年にストーリーズ機能が追加されたのに続き、2017年には複数枚の写真が投稿できる機能や、投稿内容のアーカイブ機能が登場。そして12月に追加されたハッシュタグのフォロー機能は、Instagramにおけるユーザーの情報収集に大きな変化をもたらすとして注目を集めています。
Instagramを利用する際、ユーザーは閲覧したい有名人や知人・ブランドなどの「アカウント」をフォローすることで、そのアカウントの投稿をタイムラインに表示されるようにします。これと同様にハッシュタグのフォローは、閲覧したい「ハッシュタグ」をフォローすることで、そのハッシュタグが付けられた投稿をタイムラインに表示させる機能です。
これまで、ユーザーがハッシュタグを起点に情報を収集する際には、Instagram内でその都度「ハッシュタグ検索」を行っていましたが、この機能の追加により、検索をしなくてもリアルタイムで投稿が流れてくるようになりました。
Instagramは「ソーシャルグラフ」から「マインドグラフ」へ
では、このハッシュタグのフォロー機能により、Instagramユーザーの情報収集はどのように変化するのでしょうか。
最大の変化といえるのは、これまでのアカウントという“人”(もしくはブランドや企業)とのつながり、つまり「ソーシャルグラフ」によって形成されていたネットワークに加え、ハッシュタグというキーワードに体現された“興味関心・趣味志向の共通項”、いわば「マインドグラフ」ともいえるようなつながりによって、新たなネットワークが形成されるという点です。
趣味で人とつながるコミュニティといえばかつてはmixi、最近ではTwitterがその代表格といわれていますが、Instagramにもその要素が加わったということになります。
また、ハッシュタグとユーザーをつなぐ導線と閲覧モチベーションにも大きな変化をもたらします。これまでもハッシュタグ検索を利用すれば、興味のあるハッシュタグの付いた投稿を探すことはできました。しかしそれは、「知りたい時に自ら能動的に」探して得た情報であり、その上、一覧化された投稿の中から興味を持ったものだけを「自ら選択して」閲覧するという、いわば“必然型”の情報接点でした。
一方、ハッシュタグのフォロー機能を利用すると、特定のハッシュタグを選びフォローするという行為は能動的であるものの、その後はInstagramのアルゴリズムにより都度タイムラインに表示されるため、ユーザーにとっては“偶然型”の情報接点となります。
このようにハッシュタグのフォロー機能により、Instagramにおけるユーザーの情報収集・情報接点は抜本的に大きく変化します。今後企業がマーケティング施策においてInstagramを活用する際には、この変化を念頭に置くことが必要となります。