リクルートコミュニケーションズと富士通は、「アニーリング技術」を活用したマーケティングテクノロジーの開発を目的とし、2018年1月より共同研究を開始した。
「量子アニーリング」は、最適化問題を解くための一つの手法だ。特に多数の局所解をもつ非線形最適化問題に優位性があると言われており、自然言語処理やマーケティングテクノロジーにおけるクラスタリング処理など、多くの場合、最適化問題として定式化される機械学習に対しても効果的であると考えられている。
現在、ユーザーの嗜好に合わせて最適な広告やコンテンツなどの情報を提供するデジタルマーケティング分野において、従来のPCでは実用的な時間では解くことが難しいとされてきた「組み合わせ最適化問題」が多く存在する。リクルートコミュニケーションズは、この問題を解く「量子アニーリング」技術をマーケティングコミュニケーションへ実活用するべく、各種の研究を実施。「量子アニーリング」を用いたデータ分析手法の理論構築およびプログラムの実装、同手法を実データに適用する考察・検討を進めている。
今回両社は、富士通研究所が開発した計算機アーキテクチャー「デジタルアニーラ」を用いて、実際のビジネス活用に向けた共同研究を実施。これまでのマーケティングコミュニケーションを通じて得られたデータと、マーケティングソリューションを基に、ビジネスで活用可能なマーケティングテクノロジーの実現に向けた研究開発を進める。
これにより、ユーザーの嗜好など複数の属性情報の組み合わせから導き出される最適なサービスの提案や広告配信など、デジタルマーケティングにおけるサービス品質の向上が実現する。
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