※本記事は、2018年3月25日刊行の定期誌『MarkeZine』27号に掲載したものです。
店舗増設に頼る戦略の危うさ
流通系企業の下降が現在進行形で加速する。この5年(いや10年)、流通の中で勝ち組と言われた日本のコンビニエンスストアでも、同店舗比の売上高は減少し、顧客単価はほぼ横ばい、決算上の成長は「新店舗の開設」に頼っている。統計データ(図表1)は、店の数を昨年比3.2%増やし、客単価も1.1%インフレさせたものの、売上は1.8%しか伸びない飽和状態を示している。ちなみに既存店の来店客数は対前年同月比で22ヵ月連続のマイナス月が続く。
一方、米国の流通業の「ひどさ」は日本に先行しており、2017年の店舗閉鎖数はリーマンショック直後(約6,000店)を上回り、約8,000店を記録した。さらに今年は1万店を超える勢いである。日本ではせっせとコンビニエンスストアを新設し続ける一方で、米国ではその4〜5倍のペースで店舗閉鎖が続く。このシグナルを日本でどう受け止めるか。
本コラムはデジタルインテリジェンス発行の『DI. MAD MAN Report』の一部を再編集して掲載しています。本編ご購読希望の方は、こちらをご覧ください。