重要性が増す「デジタルと店頭の融合」
一時期大きな話題となった「O2O(オンラインtoオフライン/オフラインtoオンライン)」。最近ではこのワードを耳にすることこそ少なくなりましたが、「顧客を店舗にどう誘導するか」「デジタル施策を店頭購買にどう結びつけるか」というのは店頭販売を主とする企業にとって大きな課題です。
EC利用者が増加しその売上比率が高まったといっても、化粧品は約95%、食品・飲料は約98%が店頭での売上となっており(※)、最重要チャネルであることに変わりはありません。しかしながら、ECと比べると店頭販売はマーケティング施策による効果測定が難しく、「デジタルと店頭との融合」に悩む企業も多いのではないでしょうか。
※:経済産業省「平成28年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」より
URL(PDF):http://www.meti.go.jp/press/2017/04/20170424001/20170424001-2.pdf
店頭購入者のインサイトを探る
効果的な店頭マーケティングを探る上で欠かせないのが、店頭購入者のインサイトを的確に把握することです。
トレンダーズが20代から40代の男女10万人の消費行動を分析し作成した「トレンダーズMMP(マイクロマーケティングパネル)」によると、ECよりも店頭購入の比率が高い「シングルチャネルユーザー」の中で出現率が最も高いのは「ライフジェニッククラスタ」。女性の全9クラスタの中でも最も高い出現率(19%)となります。
このクラスタの特徴は、SNS(特にInstagram)において積極的に投稿を行っているという点。また、好奇心旺盛で友達が多く、ライフワークバランスや家族を大切にするいわゆる「リア充」の傾向にあります。
「ライフジェニッククラスタ」を分析することで見えてくるのは、店頭購入を中心とする消費者が「デジタルリテラシーが低い」とは限らず、むしろSNSを使いこなし情報収集のみならず情報発信も積極的に行っているということです。
彼女たちがECよりも店頭購入を選んでいる理由は、ライフワークバランスを重視しておりプライベートの時間に比較的余裕がある、アクティブで友人や家族との外出(ショッピング)を好む、消費にこだわりがあるため自分の目でしっかり吟味したい、といったインサイトによるものなのです。