dot、ループス・コミュニケーションズ、4thが運営する「Z世代会議」は、16~35歳のZ世代・Y世代の若者を対象に、価値観やライフスタイルを明らかにする調査を実施し、「Z世代レポート2018」を発表した。16歳から35歳のミレニアル世代の若者2,824名を対象に、デバイスやメディアとの接し方、コミュニケーションのあり方、ライフスタイルに関する考え方などを尋ね、1990年代後半以降に生まれたZ世代と、その年長世代であるY世代との価値観の違いを分析した。
価値観・ライフスタイルの年代別比較
価値観・ライフスタイルに関する104の選択肢から該当するものを回答してもらったところ、16~21歳と29~35歳が選んだ項目で最も大きな差が生じたのは「1つのSNSで複数のアカウントを使い分けている」で29.6ポイント差だった。次点に「直接会ったことのない人ともSNSでやりとりする」、5位に「SNSに写真を投稿するときは加工や編集をする」があがり、SNSの使い方が年代によって大きく変化しつつあることが改めて示された。
「恋人同士でのデートや食事はワリカンが当たり前だ」といった男女平等意識は若年世代の方が高く、10位だった。その一方で、「結婚をしないで子どもを産んでも良いと思う」は29~35歳よりも15.9ポイント差で低く3位、「有名な大学や学校に通った方が有利になると思う」も7位にランクイン。先輩・後輩の関係を大切にするなど「上下関係は大事」と考える人、転職や起業するよりも同じ会社で長く働きたいといった「伝統的な仕事観」を持つ人の比率は16~21歳が年長世代より多く、堅実で保守的な考えを持つ若者世代の姿も浮き彫りになった。
また、16~21歳では、他人が自分のことをどう思っているかなど「人の目が気になる」人が4割を超え、「人づきあいが苦手」とする人も3割近く存在している。SNSに囲まれながら、身近な人間関係に苦慮する姿も垣間見える。
価値観・ライフスタイルによるミレニアル世代のタイプ分類
さらに、年代にとどまらない若者たちの傾向を明らかにするために、全回答者2,824名をその回答傾向からクラスター分析によって4つのタイプに分類した。
「省エネペシミスト」タイプは、人づきあいが苦手で、努力や訓練が必要なことはやりたくない、目立ちたくない、など「がんばりたくない」傾向が見える。自分自身を真面目な性格だと考えており、我々が声をあげても世の中は変わらない、努力しても報われないことが多い、など、人生を悲観的に捉えている点が特徴的だ。
「人生ガチ勢」タイプは、「省エネペシミスト」タイプとは対象的に、今の生活が楽しく満足であり、人生はきっとなんとかなると人生をハッピーに捉えている比率が高い点が特徴的。友人は多い方が幸せ、自ら楽しい雰囲気や場所を作ろうとする社交家の傾向が最も強く表れている。一方、伝統的な仕事観や上下関係を重視する点など、保守的な側面も持っている。
16~21歳、とりわけ女性に多く該当した「ソーシャルよいこ」タイプは、SNSの使い方が極めて特徴的な人だ。新しいもの好きで、トレンドに敏感、情報感度が高い一方、人の目が気になる人が多く、Z世代の特徴とも重なる傾向を示している。
男性の構成比率が高い「様子見フォロワー」タイプは、選択した項目の数が少なく、大きな特徴の見出しにくいフォロワー層といえるだろう。
【調査概要】
調査手法:スマートフォン調査
調査対象:日本国内在住の16~35歳(調査時点)2,824名
※年齢および性別で均等割り付けした3,000名に配信、無効回答を除外した。
調査期間:2017年9月12日~13日
調査機関:Z世代会議
回答者属性:
[性別]男性:48.2%、女性:51.8%
[年代]16~21歳:30.4%、22~28歳:35.4%、29~35歳:34.2%
[職業]公務員:3.8%、経営者・役員:0.4%、会社員(事務系):10.6%、
会社員(技術系):12.1%、会社員(その他):14.0%、
自営業:1.4%、自由業:0.9%、専業主婦・主夫:7.8%、
パート・アルバイト:9.3%、学生:35.2%、その他:4.6%
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