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データを駆使して、これからブレイクするタレントを発掘!【エム・データ薄井×アタラ杉原対談】

 アタラ合同会社が運営するメディア「Unyoo.jp」から、コラムやキーパーソンへのインタビュー記事をピックアップして紹介する本連載。今回は、TVメタデータを提供するエム・データの薄井氏と、アタラの杉原氏の対談です。データを駆使して、これからブレイクするタレントの発掘するサービスとは?

「Talent Rank」で、タレントのパワーを可視化

(左)株式会社エム・データ 取締役/ストラテジックプランニングディレクター 薄井 司氏
(右)アタラ合同会社 CEO 杉原 剛氏

杉原:エム・データさんには、2015年にUnyoo.jpの記事で一度お話を伺いました。前回の内容を踏まえ、まずは今年1月31日にβ版をリリースされた「Talent Rank」について教えていただけますか。

薄井:「Talent Rank」とは、タレントのパワーを可視化することでネクストブレイカーの予兆を先取りし、キャスティングなどに活用する目的で開発されたツールです。

 テレビ局のプロデューサーや各社のキャスティングに関わる方は、テレビにはほとんど出演していないがネットで急上昇しているタレントに注目しています。こうした人物を先取りすることでネクストブレイカーに繋がるという趣旨で「Talent Rank」は作られています。

 具体的にはテレビの露出軸をTVメタデータ(テレビの放送内容をテキスト化したもの)を用い、それに対する視聴者の反応軸をTwitterなどのネットデータを指標化してタレントパワーランキングを出す仕組みです。

 様々なデータの統合分析で、マルチデータを掛け合わせてひとつのダッシュボードに落とし込むというコンセプトで作っているクラウド型ビッグデータ分析サービス「TV Rank」シリーズにおけるひとつのメニューという位置づけです。

杉原:「TV Rank」のタレント編というイメージですか?

薄井:その通りです。現在はβ版を予定しており、今年の夏頃に正式ローンチすべく開発を進めているところです。「Talent Rank」は主にテレビ局のプロデューサーや各社のキャスティング担当者、タレントさんを売り込みたい芸能事務所の方とコミュニケーションし、彼らの感じている課題やニーズに沿って開発しています。分析の機軸となるメインデータは弊社が提供するTVメタデータと提携企業のネットのデータを使い、独自のロジックでスコアリングします。

杉原:それぞれにスコアの重みが異なるのでしょうか?

薄井:そうですね。番組のデータに対してキャスティングされた出演者を「出演量」でスコア化したものと、ニュース・ワイドショー等で取り上げられるケース、つまりキャスティングとは異なる番組露出を「話題量」として、CMの出演を「CM量」として、これに「Twitterや検索量」を加え偏差値化し各種ランキングなどのメニューを構成します(※検索データは、今後オプションで追加予定)。

杉原:御社が提供されているTVメタデータの中のフィールドからタレント名をテキストマイニングをするということでしょうか。

薄井:はい。弊社がこれまで蓄積してきたタレントなどテレビ出演者の人物辞書をベースに、番組の出演なのか話題なのか、CMなのかを区別します。これにTwitterの人物に関する投稿の全量データを加え、世の中がどれだけ当該タレントや人物に関心を持っているかを測っています。

 標準メニューはウィークリー更新で、今後、マンスリー更新のリッチ版も計画しており、これには検索データや視聴データ、YouTubeの再生数などを加えてウエイト付けをしたり、取得できるようになればInstagramのデータも加えて多様な影響力を科学したいと思っています。

「Talent Rank」では、タレントパワーランキングだけでなく、その時々の話題に上った人物に対して個別に、どういう属性の人が興味を持っているのか、対象人物名とともに検索されたセカンド検索キーワードやTwitterの共起語も見ることができます。

 例えば、舞台女優の方などでテレビにはまったく露出しませんが、検索やTwitterでは上位に来ることがあります。その方の支持層もわかるので、例えば40代の女性に圧倒的に人気のある方だとわかったら、40代女性をターゲットにした番組に出演していただいて視聴率を取ろうとか、40代女性をターゲットにした商品の広告主がターゲットにメッセージを伝える際にはこの方を起用すると効果が出やすい、といった仮説を立てることができます。

 また、タレントの名前とともに検索されているセカンド検索キーワードは、「Twitter」や「ブログ」といったワードが圧倒的に多いです。これは裏を返せばこの人に会いたい、この人のことをもっと知りたいという欲求が働いているということです。ならば、逆引き的に「ブログ」や「Twitter」とともに検索されるタレントでランキングを出してデモグラ別に支持層を判定できれば、面白い発見を得られる、といった使い方もできます。

杉原:ここまで細かく分析できれば、とても面白いですね。これには検索のデータを使われているのでしょうか?

薄井:はい。検索データを連携する開発を進めており、検索ワードの取得企業や調査パネルを保有するリサーチ会社からデータを入手しています。ブログ内検索ではなく、Yahoo!やGoogleで「ブログ 〇〇」といった内容で検索された際のセカンド検索キーワードを抽出し反映させます。

 現在検討中の事項がもう一つあります。横軸にテレビでの露出量、縦軸にTwitterの投稿量でタレントのポジショニングマップを表現した際、パワーや影響力を現す円の大きさをCMの量にするのか、検索にするか、あるいは視聴データやYouTube再生数などにするかということです。

 SS(スーパースター)ランクのタレントさんは一目瞭然ですが、注目したいのはテレビ露出は少ないが、バズが伸びている方です。そういう方を発見して早めに起用し、その方が出演される番組についてSNS上に投稿してもらえば、拡散されやすくなり、番組の視聴活性やCM効果が期待できます。ネガティブなバズを持つ方もいらっしゃるので、ポジネガを区別する必要はあるのですが、バズ持ちタレントさんの推測や先取りも可能になります。

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この記事の著者

杉原 剛(スギハラ ゴウ)

アタラ株式会社 代表取締役CEO
KDDI、インテルを経て、オーバーチュア(Yahoo!広告)、Google広告の広告営業戦略担当。2009年にアタラ合同会社(現・アタラ株式会社)を創業。広告プラットフォームのサービス立案やオペレーション設計が得意で、Google広告、Yahoo!広告、Criteo、Facebook広告、Instagram広告、X(旧Twitter)広告、Amazon広告、Microsoft広告、リテールメディアなどの最新情報...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/04/20 09:00 https://markezine.jp/article/detail/28228

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