Twitterでなければいけなかった、その理由
――ライブ配信できるプラットフォームは沢山ある中で、ライブ動画のメイン配信プラットフォームとして何故Twitterを選んだのでしょうか?
山本:大きな理由として、Twitterが「カンバセーショナルマーケティング」を実現できること、さらにはお客様同士の会話の中で自社のことを語ってもらうことに長けたプラットフォームであることが挙げられます。
弊社は目に見える商材を扱っていないので、なかなか語られにくいのですが、今回の取り組みにおいては、Twitter上にPerfumeファンが多数いるのを把握していましたし、多くの方の話題になると踏んでいました。また、Twitterであれば、ただ拡散されてバズるだけでなく、キャンペーンを通じて会話が生まれると考えていました。
そこで、リリースにはキャンペーンの全容を明かさずに「ドコモ」「Perfume」「5G」というキーワードだけを掲載して、何が起きるのか、まずはPerfumeファンの憶測を呼ぶ。そうしたTwitterの中にいるPerfumeファンを動かすことと、ネタを放り込んで会話を爆発させることにチャレンジしました。
――「バズる」と「会話が生まれる」では、どこが違うのでしょうか。
山本:バズっても、今回でいうと“5Gで何が実現するのか”が伝わらないと意味がありません。そのため、自分たちが思った内容や文脈で会話がされることが大事です。単純に、いいね!やリツイートが欲しければ、奇をてらったことをすればできるかもしれませんが、私たちは、会話のネタを提供しながら、5Gの理解に加えて、“ドコモ=先進的”というイメージ醸成にもつなげていこうと考えました。
3つのステージに分けて広告プロダクトを活用
――ここからはTwitter Japanの金子さんと小野寺さんから施策の詳細についてお話しいただきます。
小野寺:山本様にもお話しいただきましたが、今回ブリーフィングの段階からTwitterの利用者同士で語っていただくことがポイントに挙がっていたので、ライブというイベントを起爆剤として会話を盛り上げていく方法をご提案しました。
そこで重要なポイントとなったのが、「事前」「当日」「事後」の3つにステージを分けて広告プロダクトを上手く使っていくことでした。
具体的なプロダクトでいうと、事前にPerfumeファンを中心に広くキャンペーンを認知させるための「プロモツイート」と、当日のライブ視聴者数とコメントの盛り上がりを最大化するためのリマインダー向けリツイート施策を活用しました。
後者のプロダクトは、事前に特定のツイートをリツイートしておくと、その当日にリマインドが届くというものです。これにより、当日までに放送があることを忘れていた利用者に思い出してもらうことができます。
また、当日は1日1社限定でトレンド欄の上部に広告を掲載できる「プロモトレンド」で告知することで利用者を誘い込みました。ライブ終了後は、リアルタイムで視聴できなかった方にも改めて語ってもらえるよう、アーカイブが視聴できる特設サイトへ誘導することで、事後の接点と機会を創出するところもフォローアップしました。
金子:ライブ配信時間は20分で、ダンスパフォーマンスとトークセッションを披露してもらいました。ですが、それだけでは3人が普通にパフォーマンスしているように見えてしまうので、そのあとに種明かしとして、Perfumeの3人がそれぞれ違う拠点にいることを伝えました。
Periscopeのライブ配信画面では、一番上で動画が視聴でき、その下に出てくる視聴者のコメントも見ながら楽しめるUIになっていました。また、アーカイブを視聴した方たちもハッシュタグを基点に様々な感想や視点をツイートしていました。そのため、20分と動画としては長尺でしたが、飽きずに見ていただけたかと思います。