ハッシュタグがキャンペーン後の資産になる
――キャンペーンの結果について教えてください。
金子:Perfumeに関連するようなハッシュタグがいくつかあったのですが、そうしたタグがライブ時間帯中はオーガニックでもトレンドに入ってくるほど盛り上がっている様子が見られました。
山本:Perfumeのコンサート開催時より盛り上がったんでしたっけ?
金子:「#prfm」という、Perfumeファンの間で使われているハッシュタグで比較したところ、今回のライブ配信に関するツイートボリュームのほうがコンサート開催時のツイートよりも多く、「#futurex」は2017年のPerfumeファンの間で1番盛り上がった話題といえるのではないでしょうか。
山本:「#futurex」というキャンペーンのタグも「#prfm」に比例して高い数値を得られたので、Perfumeが何かをやったということだけでなく、ドコモが仕掛けた施策であるという点も伝えられてよかったのかなと。
金子:事前から事後に至るまで、Twitterを中心にストーリーを持ってキャンペーンを設計したのは、弊社にとっても新しいチャレンジでした。
――トレンドを生み出せたという以外に、得られた成果はありましたか。
小野寺:山本様もバズではなく、NTTドコモがどのように語られているかが重要とお話ししていました。
そこで「#futurex」でつぶやかれたツイートを調べたところ、楽しかったという意見が多くキャンペーンの満足度が高かったのはもちろん、配信に使われていた5G技術について考察する利用者もちゃんと現れてくださいました。
狙っていたとはいえ、やはり企業発信の情報ではなく一般の方から語っていただく声は改めてパワフルだと思いました。
――山本さんは施策の結果を受けて、どう評価されていますか。
山本:ここまでハッシュタグの付いたツイートがあったことは驚きでしたが、ほぼご提案の通りの結果になり、満足しています。世の中を盛り上げられたチャレンジになったと思います。
あとは、こういうことをやると技術よりもタレントに話がいきがちなのですが、Twitter利用者の情報感度が高く、PerfumeだけでなくFUTURE-EXPERIMENTのハッシュタグ「#futurex」にも反応してくれた。そうした人たちに対し、ハッシュタグでリターゲティングすることによって、再アプローチができるため、本来の目的である5Gのサービス理解といったところまで一気通貫してできたのは、ありがたいです。5Gへの理解を深めるための資産として今後も継続的に活用していきます。
デジタルのコミュニケーションを心地良いものに
――今後、Twitterを含むデジタルでの施策をどのように発展させていきたいですか。
山本:デジタルというと、色々な可能性が増えていく一方、アドフラウドやアドブロックなどネガティブな部分が見えてきています。弊社においても、とりあえずバナーを出稿するといった、お客様の状態を考えずにコミュニケーションすることがないよう工夫しています。たとえば、DMPを活用して自社のデータや外部データを組み合わせることで、年齢性別というだけでなく、趣味嗜好なども踏まえてお客様に対してコミュニケーションしていけるように進めているところです。
1、2年でできることではありませんが、データの連携も含め、お客様に嫌われるリスクも大きいデジタル広告・コミュニケーションを、便利で心地良いものにしていけるようプランニングしていきたいです。
金子:今回はドコモさんの施策は、メインにTwitterを据えて大々的に行ったキャンペーンで、ここまでの施策は弊社としても新しい試みでした。
これまでTwitterで施策を行う場合、いち出稿メディアや誘導媒体として捉えられてきた部分があると思うのですが、今回のキャンペーンが成功したことで、Twitterの持つマーケティングプラットフォームとしての可能性を示すことができました。
今回の取り組みを今後さらに発展させていき、ドコモ様と新たな施策を行えればと思っています。
小野寺:Twitterをマーケティングに活用するメリットは、4,500万のMAUを活かしたリーチと、今回のように特定のトピックに深くタッチできるインサイトをTwitterのデータから洗い出してアプローチできることです。今回のキャンペーンのように、今後も新たな切り口でコミュニケーション設計のお手伝いをさせていただきたいです。