※本記事は、2018年5月25日刊行の定期誌『MarkeZine』29号に掲載したものです。
発想のスケールが圧倒的なイーロン・マスク氏
今、世界で最もイノベーティブな起業家を問われたとしたら、誰を思い浮かべるだろうか。
アマゾンのジェフ・ベゾス氏、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏といった、私たちの生活に密着したサービスを提供する企業の創業者たちを挙げる人が多いかもしれない。しかし、イノベーティブな発想のスケールで頭一つ飛びぬけている起業家と言えば、イーロン・マスク氏に他ならない。
マスク氏はロケット・宇宙船開発会社のスペースXを創業、EV(電気自動車)やソーラーパネルを開発・製造・販売するテスラに参画し、CEOなどを務めている。かつてオンライン決済サービスのペイパルを立ち上げ、売却。約170億円もの資金を手にし、スペースXはそれを元手に立ち上げた。
そんな彼は「人類を火星に移住させる」という途方もない目標を掲げている。夢物語にも思えるかもしれないが、マスク氏は本気だ。それによって地球的課題である環境破壊、人口爆発などを解決しようとしているのだ。スペースXはそのために設立された。
また、テスラのEV事業は、火星移住を実現するには時間がかかるので、それまで地球環境をできるだけ破壊しない移動手段を普及させるというのが目的だ。しかもそれらを同時に実行している。驚くべき発想と実行力ではないだろうか。
本書『イーロン・マスク 世界をつくり変える男』ではそんなマスク氏の業績や行動、発言や関係者の証言から、そのイノベーションの源である「破壊的実行力」を生み出す14のルールを抽出。考え方や人物像を明らかにしている。
著者はビジネスコンサルタント。松下電器産業(現・パナソニック)で新製品開発、アップルコンピュータ(現・アップル)でマーケティングに従事した。
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