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出品者より入札者を優遇? ヤフオクユーザーの“新たな不満”

落札されたのに連絡しても返事が来ない…

 国内最大級のオークションサイトである「Yahoo! オークション」(以下ヤフオク)は1999年に利用料無料でサービスを開始したが、詐欺や不正行為が後を絶たず2001年に有料化された。出品者も入札者も本人確認が義務付けられ、出品者は月額利用料(Yahoo!プレミアム会員月額税込294円)を支払う決まりになった。

 これが詐欺激減の大きな理由と思われるが、その後、徐々に出品料(1点に付き10.5円)、落札手数料(当初3パーセント、後に5パーセントにアップ)が加わり、落札者にとっては安全になったかもしれないが、出品者への負担は大きくなる一方である。そして、ある時から出品者はキャンセルやいたずら入札などの損害を被るようになっているのだ。

 比較的出品歴の短い主婦A子は「落札されたのにいくら連絡しても返事が来ない」と首をひねる。出品歴の長い友人B子から「そんな人、最近たくさんいるのよ、入札されたらその人の評価を見て、あまりに悪かったら入札をすぐに削除しなきゃダメ」といわれショックだったという。

 その落札者は取り引き評価数が16ぐらいのうち4つに「非常に悪い」という評価が付いていたようだ。幸い、その落札者を削除して次点の入札者に品物を譲ったA子は「落札しておいて知らんぷりをする人がいるなんて信じられない」ともらした。

 B子は評価数が500を超えるベテラン出品者だが、やはりこの1年ばかり無責任な落札者に悩まされている。送料不足だったのでヤフーゆうパックでなく、定形外で送ったら「補償がないのにどうしてくれる、届いたら送り返すからヤフーゆうパックで送り直してくれ」と関西から東京まで何度もしつこく電話をしてきた落札者がいたようだ。その落札者の評価は一桁台の初心者。B子は、キャンセルや連絡がないぐらいではもう驚かないという。

 A子やB子と同じ例は、Q&Aコンテンツ「Yahoo!智恵袋」内のオークションの項を見るとゴマンとある。新規参加者や無責任な落札者などに対する出品者の不満が多数書き込まれているのだ。

モラルの低い落札者が急増中?

 こういったモラルの低い落札者が急増した原因のひとつは、ヤフーが2006年10月11日から2007年8月7日まで行った、入札者が本人確認なし、会員登録なしで利用できる「0円ではじめるYahoo!オークション参加無料キャンペーン」が影響しているのではないだろうか。このキャンペーンの結果として、いたずら入札や無責任なキャンセルに悩まされる出品者が増えたと筆者は予想する。

 なお、このキャンペーンは既に終わっているが、終了間際に「5000円以上の入札が、2007年8月7日より特定の会員限定に!!その前に登録するのがオトク!」と最後の呼び込みをしていたので、相当数の駆け込み登録があったものと思われる。

そのせいで6ヶ月以上経った今でも、新規や評価数の少ない落札者からのいたずら入札や無責任入札(落札後連絡が取れない、キャンセルする、安易に返品する)、その上、ごねる、値切る、自分に非があるのに報復評価をする、などに悩まされている出品者も多いようだ。

 特に新規については「散々嫌な思いをさせられましたので警戒します」「新規の方には困っています。最近は新規でなくても、評価が3ぐらいの方でも怪しいので、オークション終了間際にはチェックしています」「もう新規には堪忍袋の緒が切れたので、入札されても削除させていただきます、と画面に入れてます」などという書き込みがある。

 現在、こういったトラブルの対処法としては、安易にキャンセルする者にはペナルティを与えた方がいい、という解決法が提案されている。

 筆者も8000円のコンサートチケットの1円出品に100円ぐらいの値を付けてその後更新しなかったところ、ひょっこり次点で落札できる事になった。あまりの安値に「本当に100円でいいのでしょうか」と連絡すると「いたずら入札でとんでもない高額が付けられ、それを削除した結果100円という事になってしまいました。再出品したいので今回はなしという事でお願いします」という返事が来た。

 ぬか喜びさせられたのもいたずら入札のせいである。

【関連リンク】
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この記事の著者

セリー真坂(セリーマサカ)

フリーランスライター/ニューヨークウォッチャー/字幕研究家。得意分野はニューヨーク、映画、英語、食、ファッション、黒人音楽、トレンドなど。英会話本他3冊の著書あり。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2008/03/05 14:53 https://markezine.jp/article/detail/2856

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