マーケターにとってAIによる恩恵は計り知れないものがあります。データ分析やチャットボットなどでの利活用が進む中、新たに注目されている領域が、One to Oneのマーケティングを目指すうえで不可欠なパーソナライズされた広告のクリエイティブ。今、GAN(Generative Adversarial Network)と呼ばれる技術によって、AIがクリエイティブを大量生産できる時代になっているのです。
定期誌『MarkeZine』第34号(2018年10月号)では、「AI×広告がもたらす新たなクリエイティブ」を特集。テキストや画像、あるいは写真まで生成してしまうAIを広告のクリエイティブに活用するにはどうすればいいのか、そして現在どこまでのことが可能なのか、キーパーソンに尋ねます。
AI開発と応用に注力している電通の児玉拓也氏は、AIの偶然性が人間の発想を刺激すると語ります。例えば、同社が開発したAIコピーライター「AICO」は大量のアイデアを発散させることに利用できます。人間はそこから刺激を得てクリエイティブを作成します。AIはパワードスーツとして人間を支援する、これが児玉氏の考え方です。
楽天の森正弥氏は、楽天市場のバナーと商品説明の自動生成を目指しているそうです。しかし、ディープラーニングには数学的に説明できない領域も存在し、なぜそのクリエイティブが最適なのかというロジックがわからない場合もあります。ストーリーを説明できないけれどコンバージョンは高まる、そんなクリエイティブをどのように受け止めるかが今後マーケターに問われます。
サイバーエージェントとPARTYが共同出資したCYPARの高宮範有氏と中橋敦氏は、AIがリアルタイムで広告クリエイティブを生成し、最適化された配信を行うとき、決裁者やクライアントなどの承認フローをどうすべきか検討しなければならないと指摘します。強力なツールであるにもかかわらず、人間側がついていけないのであれば宝の持ち腐れ。できることが増えれば課題も増えるため、その心構えが必要です。
定期誌『MarkeZine』第34号ではこの他にも赤城乳業・萩原史雄氏の巻頭インタビューを掲載。もっと詳しく知りたい方は、ぜひ特設ページをご覧ください!