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数字やハックの追求に愛はない クラシコム青木×プレイド倉橋 対談【後編】

お客様の気持ちがわかる「北欧、暮らしの道具店」のひみつ

青木:よく「AIが人を代替する」みたいな議論も聞きますが、ご指摘のように、テクノロジーと掛け算して人の力をもっと活かすことを考えたほうがいいですよね。人間のような高度なシステムは、どれだけお金を投じたってつくれないから、組み込まないのはもったいない。

 以前、109のカリスマ店員さんがLINEを駆使して「◯◯ちゃん、こないだ買ったのにすごく合うスカートが入ったよ!」みたいに個別にアプローチしているのを知って、感動したんです。これって企業から来ているメルマガのようなものですよね。だけど、自分だけを向いていて、しかも好きな人から届いたら、めちゃくちゃ嬉しいコンテンツになるじゃないですか。テクノロジーで彼女たちのそういう能力を代替するんじゃなく、メインシステムとして組み込んで設計するほうが合理的だし、お客様も嬉しいはず。

倉橋:そうですよね。先ほど、御社のスタッフにモビルスーツをとおっしゃいましたが、「北欧、暮らしの道具店」ではその増幅される源となる、クラシコムのスタッフ皆さんのお客様理解力が、そもそもすごく高いような気がします。お客様と深くつながったり理解したりするために、日ごろから意識されていることはあるんでしょうか?

青木:どうしているのかなぁ(笑)。でもいちばん大きいのは、社員のほとんどが元お客様であることでしょうね。当社の採用は自社サイトでしか告知しないので、必然的に元々買い物客として接点があった人が応募する仕組みになっています。

 加えて思うのは、うちは女性スタッフが多いですが、女性の「お客様の喜びを提供できたら自分も嬉しい/悩みを解消できたら自分も癒やされる」という高い共感性がよく活かされているんだな、と。つまり、お客様=自分の心をひたすら掘っていくことで、他者に通じる無限の泉にたどり着き、相手に寄り添える……ということが起こるんです。

自信をもってビジネスに邁進できる“モビルスーツ”を提供したい

倉橋:僕らも自分たちのサービスやサイトで「KARTE」を使っており、そのフィードバックを反映しながらどんどん改善していっているので、社長の僕が知らないアップデートが日々起こっていますね。IT業界だと「ドッグフィーディング」と言いますが、自らが実践的にサービスを使い、ユーザーである顧客の環境を理解し、プロダクトを高速に改善していくのに欠かせないことだと思っています。ただ、顧客企業の業種や業態が多様化しているので、そこは今、様々な企業を支援するにあたって難しいポイントだなと思っています。どれだけユーザーの気持ちになれるかが大事。

青木:モノやサービスが十分でなかった昔と比べて、今は本当に微細な差で選ばれるようになっているので、ユーザーの「そうそうこれをわかってほしかった!」という点をどれだけ盛り込めるかが大事ですね。でも今のお話をうかがって、「KARTE」のようなBtoBでもそういうことを考えていらっしゃるんだなと、それはすごく新鮮でした。今後、御社の顧客をどうサポートしたいとお考えですか?

倉橋:自分たちをBtoBではなくBtoBtoCだと意識して、エンドユーザーがどう感じているかを常に理解するプラットフォームであることを前提に、僕らのサービスを使って仕事をする方々が輝くような環境づくりに貢献したいですね。デジタルとテクノロジーの力で、自信をもってビジネスに邁進できる“モビルスーツ”を提供できればと思います。青木さんはいかがですか?

青木:僕らもBtoBの広告事業を始めていますが、エンドユーザーを見る、Human to Humanであることは忘れずにいたいと思います。僕らの提供する商材はそれぞれニッチなニーズに基づいていますが、ある価値観で束ねられていると思っています。これを「ニッチの花束」と言っているんです。まだ小さな花束ですが、それぞれの方の生活での喜びに関与していければいいですね。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2018/11/27 10:00 https://markezine.jp/article/detail/29676

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