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CX戦略の理想と現実のギャップを埋めるために大切なこととは?コンタクトセンター活用の重要性

 テレマーケティング大手のTMJが2018年10月に発表した「TMJ CXサービス」は、企業のCX(顧客体験価値)を向上するための施策立案やその実現を支援するサービスだ。コンタクトセンター事業を通じて企業のマーケティングを支援してきた同社だが、様々な企業の事例を見るなか、企業がCX戦略に取り組む際に直面する様々な課題に気づいたという。その課題解決に向け、企業は何をやるべきか。TMJ 事業企画部 商品・事業企画室 室長 兼 マーケティング室 室長 川野克俊氏に話を聞いた。

「何をすべきかわからない」の声に応え

――コンタクトセンターは顧客との重要な接点ですが、御社にもCX関連の相談が増えているのでしょうか?

川野:はい。その相談内容には2つのパターンがあります。まず、「経営層から『CX向上のプロジェクトを立ち上げなさい』と言われたが、具体的にどうしたらいいのかわからない」というもの。もうひとつは、たとえば「コンタクトセンターに音声認識システムを入れたいという案が出ているが、どのように活用すればいいのかわからない」というものです。ツール導入や環境構築自体が目的になってしまっているということです。本質的にはコンタクトセンターだけで活用を考えても限界があり、音声認識でテキスト化された「顧客の生の声」をどう活かしていくのか、根本的な設計から考える必要があります。

株式会社TMJ 事業企画部 商品・事業企画室 室長 兼 マーケティング室 室長 川野克俊氏
株式会社TMJ 事業企画部 商品・事業企画室 室長 兼 マーケティング室 室長 川野克俊氏

川野:企業の悩みの粒度はバラバラですが、結局のところ「何をしたいのか」がはっきりしていないのです。上層部が何かアイデアを持っていたとしても、肝心な部分が現場に伝わっていないので、現場のスタッフは何をすればいいのか悩んでしまう。いま企業には、そのストーリーを組み立てて、具体的な施策に落として実行していく役目が必要なのだと思います。そのようなニーズから「TMJ CXサービス」をリリースしました。

「TMJ CXサービス」の概要図。個別のコンタクトセンター業務支援だけでなく、CX戦略のプロセスを設計して具体的な業務・運用に落とし込んでいく。
「TMJ CXサービス」の概要図。
個別のコンタクトセンター業務支援だけでなく、CX戦略のプロセスを設計して具体的な業務・運用に落とし込んでいく。

モノ+サービス一体化の価値を重視する時代に

――企業がCXを重視している理由について詳しくお願いします。

川野:ファンマーケティングを取り入れたり、アンバサダーやアドボケーターを育ててコミュニティを軸にマーケティングコミュニケーションを行うという動きが盛んになっています。なぜそういう方向に流れているかといえば、多くの企業が「顧客に自分たちのコミュニケーションが届いていない」ということに危機感を持っているからでしょう。

 では、なぜコミュニケーションが届かないのか。その背景にあるのは、顧客の価値観の変化です。現代は、モノを持つ所有価値よりも、所有してからの使用価値が重視されていますよね。そうすると、所有した「後」のサービスが重要になります。いまや顧客の意識は、モノよりもサービスの方へとシフトしつつあるわけです。

 いまや機能や価格といったモノのスペックが差別化になるとは限りません。そんな価値訴求のメッセージをいくら送っても、顧客は自分ごとと捉えないのです。モノとサービスを別々に捉えるのではなく、モノとサービスを一体化して1つの「コト」とし、「コト」の体験をどう組み立てていくかがポイントになります。この考え方を「SDL(サービス・ドミナント・ロジック)」といいます。その実践において、ユニークな立ち位置となるのがコンタクトセンターなのです。

次のページ
顧客が体験する価値のプロセスを「線」で捉える必要がある

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/03/01 10:00 https://markezine.jp/article/detail/30342

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