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ソーシャルメディア その進化と活用

『おっさんずラブ』に学ぶ、SNSで戦略的にヒットコンテンツを生む次世代メソッド

ドラマ放送スケジュールごとに見る、話題量の推移

ドラマ放送前〜第1話放送まで

・2018年2月末、『おっさんずラブ』の連ドラ化がアナウンスされる。過去に放送された単発ドラマ時代からのファン(Twitter上では “OL民”という呼称でクラスタ化している)が歓喜し、公式Twitterアカウントの投稿には多くのエンゲージメントが生まれる。

 2018年2月27日に投稿された連ドラ化決定ツイートは、ドラマの放送開始1ヵ月前のツイートにも関わらず10,000以上のリツイートを獲得している。

・ドラマのクランクイン以降(2018年3月中旬)は塩顔イケメン 田中圭さんや、渋い表情と演技のギャップが人気の吉田鋼太郎さんなどのキャスト名をハッシュタグにした投稿が行われる。これにより、俳優陣のファンが同ドラマに興味を示す。

・ドラマ放送開始1週間前(4月中旬)からティザー施策が次々に投下される(バラエティ番組での露出、トレインラッピング広告の登場、第一話試写会の実施)これにより、第1話放送前のOL民の熱量が高められる。

第1話放送〜第4話放送

・放送されているドラマの模様をリアルタイムに実況するクラスタ「ドラマ実況アカウント」が各放送の名シーンや名セリフ(字幕表示)をカメラ撮影し、Twitter上に投稿する動きが複数勃発。リツイート数20,000以上の投稿がドラマの放送時間に複数現れる事態に。

・視聴者が、ドラマの設定やシーンをモチーフにしたイラストをTwitterやInstagramに次々に投稿。クオリティの高いイラストがSNS上で話題になり、放送日以外も『おっさんずラブ』についての話題が露出される。

第5話放送〜最終話放送

・第5話放送中に、複数の有名な企業アカウント(中の人)がドラマに登場する小道具(自宅の冷蔵庫や、オフィスの資料ファイルなど)を取り上げTwitterに投稿。これにより、ドラマファン以外のユーザー(中の人ファン)にも話題が波及する。

・第6話放送後、経済評論家の勝間和代さんによる「#おっさんずラブ」付のカミングアウトツイートが大きな話題となる。

 このようにドラマ放送前から最終回までの盛り上がりを分析すると、グラフの推移に変化が現れるタイミングには、それまでは現れていなかった新たなユーザー群(クラスタ)が『おっさんずラブ』を話題にしていた事がわかりました。反応したユーザー群を、ドラマのTwitter上での盛り上がりグラフを当てはめると以下の通り。

 『おっさんずラブ』の盛り上がりの推移を読み解く際の重要なポイントは、大きな変化をもたらしたタイミングには変化を牽引する特定のクラスタが存在した、ということです。年齢や性別、職業や趣味嗜好に分け隔てなくジワジワとTwitter上でファンを増やしたのではなく、順番に新たなファン層を獲得する事で最終的に大きな盛り上がりを生むことができたということです。

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各クラスタを意識した施策投下が、攻略の鍵を握る

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この記事の著者

金清 雄太(カネキヨ ユウタ)

65dB TOKYO
Head of 65dB TOKYO

2015年、TBWA\HAKUHODOに入社。統合的なデジタル施策の企画〜運用の経験を生かし、得意先のクリエイティブ、プロモーション立案のプロセスにデータドリブン思考を注入している。なかでも、ソーシャルモニタリングを活用した生活者インサイトを抽出する手法...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/03/22 07:00 https://markezine.jp/article/detail/30640

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