TikTokに投稿される動画に変化が
――本日は、先日リリースされた「TikTok Ads」についてお伺いしていきたいと思います。まず始めにTikTokの最新動向をお聞かせください。
西田:2018年第四半期のMAU(月間アクティブユーザー)が950万となり、順調にユーザー数・ユーザー層ともに拡大しています。注目すべき点は、コンテンツにも変化が出てきていることです。半年くらい前までは、学校をモチーフにした動画や、制服を着ている学生達による動画が多かったのですが、今は10件スワイプをするなかで1件出てくるかどうかという出現率になりました。学校をモチーフにしたコンテンツ自体が減ったわけではないので、それ以外のコンテンツが増えてきたことを表しています。
――確かに最近、子どもやペット、料理動画なども目にするようになりました。コンテンツの変化からも、ユーザー層の変化が見えてきますね。企業によるTikTokの活用状況はいかがですか?
西田:昨年7月から予約型広告を開始しており、11月には運用型広告も正式にローンチしています。クライアント層にも変化が起きていて、当初は若年層向けプロダクトのブランド企業様によるキャンペーンが多かったのですが、最近では通信会社やエンターテインメント関連の企業様によるキャンペーンも増えてきました。ブランド企業様は、主にブランディングを目的にキャンペーンをされていますね。
一方でEC関連の企業様も増えてきていて、TikTokからECサイトに飛ばし、そのまま購買につなげていくという活用も増えてきています。
海外ではラグジュアリーブランドもTikTokを活用
――TikTokは世界的にもユーザー数が拡大していますよね。海外では、TikTokは広告プラットフォームとしてどのように活用されているのでしょうか?
西田:海外では、既にオールリーチ・オールターゲットのプラットフォームになっています。そのため、クライアント企業様の業種も、金融から自動車までと幅広いですね。最近では、ラグジュアリーブランドによる「ハッシュタグチャレンジ」なども増えてきました。
――高価格帯の商材を扱うブランドでも、ブランディングを目的にTikTokを活用しているのですね。ラグジュアリーブランドによる「ハッシュタグチャレンジ」とはどのようなものですか?
西田:たとえば、あるグローバルブランドでは、TikTokの「どこでもランウェイ」というハッシュタグを使ったキャンペーンを行いました。ファッションショーでも使えるような楽曲の許諾を取り、ユーザーにそのブランドのものを身に付けたまま街中をモデルのように歩いてもらう、というものです。
こうしたキャンペーンは、早晩、日本にも入ってくると思います。特にグローバルブランドでは、各国の成功事例を他国でもやってみようという傾向があるので、日本のユーザー層が海外と同じように広がっていけば、日本でもやってみようという流れになっていくのではないでしょうか。