メディア露出件数は計120件以上に
――御社のほうから『マルサン豆乳MP3プレーヤー』が話題になるよう仕掛けたことはあるのでしょうか?
深津:プレスリリースを配信した段階で、ご要望があったメディア様には商品のプロトタイプをお送りする準備をしていました。その他、話題になった理由は、やはり一般の方のツイートに対して食品メーカーが本気で応えたからではないかと思います。
弊社としても今回の取り組みはチャレンジングでしたが、ちょうど「マルサン豆乳」のブランディング施策を思案していた時期でもあり、思い切って実行にまで移しました。プレスリリースのタイトルも、「どうせやるなら思い切り楽しもう」という考えのもと、カジュアルなものにしました。

――ネットで話題になる前と後ではどういった変化がありましたか?
深津:『ねとらぼ』『Gigazine』をはじめとしたネットメディアで取り上げていただきました。メディア露出件数は合計で120件以上にのぼります。プレスリリースをもとに取材オファーをいただいたものがあれば、ネットでの話題がきっかけとなって取材をしていただいたものもありました。
――御社の社風についてお聞かせください。
深津:食品を取り扱う企業として、広報・広告活動においては厳しい審査・確認を行います。今回の企画も、軽い気持ちで実現したわけではなく、あくまでも全国の受験生や試験勉強に励んでいる方を応援する気持ちでキャンペーンを展開しました。購入者限定ではなくオープンなキャンペーンとして応募を募ったのもそのためです。キャンペーン実施にあたっては、社内でキャンペーンを行う目的もしっかりと説明しました。
今後はユーザーとの直接的なコミュニケーションを活性化
――『Markezine』読者に向けたアドバイスと、今後の展望を聞かせてください。
深津:通常、一つのマーケティング施策を実行するには一定の期間を設定し、その中でPDCAを回していくのが基本だと思います。ただ、今回に限っては瞬発力が重要だったと思います。弊社としても、今回の企画で得た成果などを踏まえ、より積極的に情報発信を行う体制を整えていこうと考えるようになりました。今後も、ユーザーと直接的なコミュニケーションができる距離感の近いブランドとして、「マルサン豆乳」を育てていければと思います。
――どうもありがとうございました。
SNSの利用が拡大している昨今、企業発信の情報だけでなく、一般のユーザーによる商品・サービスへの意見がネット上で話題になるケースが多くなってきました。こうしたユーザーの意見を見過ごさず、スピード感を持って便乗できる体制があるかどうかが企業には問われてきているように思います。深津さんも仰っていましたが、ユーザーとの距離感が近いBtoC事業を展開する企業こそユーザーの声に耳を傾け、即座にアクションに移せるかが重要になってきているようです。
