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BtoBマーケ虎の巻

リード数を30倍に増やした会社が3年間のプロジェクトで取り組んだこと

 マーケティング活動を進める上で、戦略・施策の立案は欠かせない。しかし、とりわけBtoBマーケティングに関しては、そのやり方を具体的に学べる機会は多くない。才流・栗原氏の連載第4回では、同氏が過去に支援した中で成果が出たプロジェクトの一つを例に、BtoBマーケティングの戦略・施策立案の具体的なステップを解説する。

3年でリード数30倍&業界2位に!その要因は

 ある日、私が書いたブログ記事を見たという経営者の方から問い合わせをもらった。その方は某ITシステム企業(A社とする)を営んでおり、相談の内容は「創業以降、数年で業界4位まで上り詰めたが、これからは業界1位、2位のポジションを狙っていきたい。そのために、顧客を増やす手伝いをして欲しい」というもの。その日から、BtoBマーケティングのプロジェクトが始まった。

 それまでA社は、テレアポを中心としたアウトバウンド施策で顧客を獲得していたが、テレアポリストの数には限りがあり、リストも枯れ始めていた。次なる飛躍の一手として、インバウンドを中心としたマーケティングに切り替え、成長角度を上げることが、プロジェクトの目的だった。

 3年間の取り組みの結果、A社のリード数は約30倍(月数十件から月1,000件弱)に増加し、業界1位には届かなかったものの、2位に到達することができた。A社が高い成果を上げることができた要因は、どこにあるのだろうか。

 ここからは、A社と取り組んだプロジェクトの一連の流れを説明しながら、マーケティング戦略立案に関するチェックポイントを挙げていく。

ステップ1.経営課題に沿ってマーケティングの目的を設定

 BtoBマーケティングにおける戦略立案の第1ステップは、経営課題や経営テーマから逆算して、マーケティング活動の目的・目標を定めることだ。

 A社の場合は、アウトバウンド施策に力を入れることで業界4位につけていたが、テレアポで接触できる層には限りがあり、今までのやり方だけでは業界1位になれそうにない。そのため「業界トップを狙うために新しい顧客獲得チャネルを開拓する」ことが、経営上の重要なテーマだった。

 そこで早速、「新しい顧客獲得チャネルを開拓し、業界1位、2位になること」を目標に、マーケティングプロジェクトをスタート。経営課題から発生したプロジェクトだったため、経営陣と現場の両方から、強いコミットメントを得ることができた

ステップ2.顧客への解像度が高いメンバーをチームに入れる

 経営テーマに基づいてマーケティング活動の目標を定めた後は、現状分析や課題の洗い出しを行い、戦略・施策を立てていくことになる。この過程には、顧客を深く理解しているメンバー、顧客への解像度が高いメンバーに加わってもらうことが欠かせない

 顧客への解像度が高い人がプロジェクト内にいるかどうかで、出てくる仮説や戦略・施策の精度は大きく変わる(参照『やることが山積みのBtoBマーケ、「やらないこと」をどう決めるか』)。

 A社の場合は、経営者が営業現場に出ていて顧客を深く理解していたほか、営業担当の執行役員も、度々プロジェクトの定例会議に参加していた。

 さらにA社とのプロジェクトでは、新しいWebサイトやパンフレット、広告クリエイティブを作成する際に、営業メンバーに同席してもらっていた。私を含めたマーケティングチームの顧客への解像度が高まったのは、言うまでもない。

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この記事の著者

栗原 康太(クリハラ コウタ)

1988年生まれ、東京大学文学部行動文化学科社会心理学専修課程卒業。 2011年にIT系上場企業に入社し、BtoBマーケティング支援事業を立ち上げ。事業部長、経営会議メンバーを歴任。2016年に「才能を流通させる」をミッションに掲げ、経営者・事業責任者の想いの実現を加速させる株式会社才流を設立し、代表取締役に就任。 アドテック東京などのカンファレンスでの登壇、宣伝会議・広報会議など主要業界紙での執筆、取材実績多数。 Twitterアカウント(https://twitter.com/kotakurihara) | Facebookアカウント(https://www.facebook.com/kota.kurihara)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/06/20 07:00 https://markezine.jp/article/detail/31283

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