NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(以下、NTTコム オンライン)は、自動車保険業界を対象に、顧客ロイヤルティを測る指標であるNPSベンチマーク調査を実施した。この結果、最もNPSが高いのは、代理店型自動車保険部門では東京海上日動火災保険(以下、「東京海上日動」)、ダイレクト型自動車保険部門ではセゾン自動車火災保険となった。
業界全体としては、アフターフォローの実施が、契約している保険の理解促進や、ロイヤルティ向上に寄与する傾向が見られ、その重要性が伺われる結果となった。
代理店型自動車保険部門NPS1位は東京海上、ダイレクト型自動車保険部門はセゾン自動車火災保険
代理店型自動車保険(以下、代理店型)5社のうち、NPSトップは東京海上日動(-43.0ポイント)となり、最下位の企業との差は16.0ポイントだった。代理店型5社のNPS平均は-51.8ポイントとなった。
また、ダイレクト型自動車保険(以下、ダイレクト型)7社のうち、NPSのトップはセゾン自動車火災保険(-19.0ポイント)となり、最下位の企業との差は12.0ポイントだった。ダイレクト型のNPS平均は-25.5ポイントとなった。
保険料やコストパフォーマンスが業界全体の課題に
19の要因別に満足度と重要度を分析したところ、代理店型、ダイレクト型ともに、重要度が高いにもかかわらず満足度が伸びなかった(重要度と満足度のギャップが最も大きかった)項目は、「保険料の安さ」、「コストパフォーマンス」となった。
代理店型では、両項目の満足度は19の要因のうち最も低く、費用に対する課題感が浮き彫りとなった。一方ダイレクト型では、両項目は、19の要因のうち満足度の上位に位置しているものの、非常に期待値が高いため、ギャップの残る結果となった。
代理店型は保険料への理解が、ダイレクト型はユーザビリティがロイヤルティ向上に寄与
NPSのセグメントごとに、要因別満足度を分析したところ、代理店型の「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)においては、「コストパフォーマンス」や「アフターフォローの手厚さ」への評価が特に高く、支払っている保険料金への納得感や、アフターフォローを通じた十分な情報提供がロイヤルティを押し上げる結果となった。
また、ダイレクト型の「推奨者」においては、「手続きの簡単さ」、「アフターフォローの手厚さ」が高い評価を得ており、ユーザビリティへの高評価と、代理店型同様アフターフォローへの満足度がロイヤルティを押し上げる要因となった。
アフターフォローの有無によりNPSに差、商品の理解度も異なる
契約後のアフターフォロー(メール、電話、訪問等による情報提供)について調査したところ、全体の61.3%がアフターフォローを受けている結果となった。アフターフォローの有無別にNPSを分析したところ、アフターフォローを受けた契約者は、受けていない契約者と比較して大幅にNPSが高く、また、この傾向は代理店型、ダイレクト型ともに見られた。
アフターフォローの有無別に商品に対する理解度を分析したところ、アフターフォローを受けている契約者は、受けていない契約者よりも、「商品を十分に理解している」割合が高く、商品理解の促進において、アフターフォローの重要性が示される結果となった。また、アフターフォローの有無いずれの場合も、ダイレクト型の契約者のほうが、代理店型よりも商品への理解が進んでいる結果となった。
【調査概要】
(代理店型自動車保険部門)
調査対象企業(アルファベット順、50音順):あいおいニッセイ同和損保、AIG損保、損保ジャパン日本興亜、東京海上日動、三井住友海上
調査対象者:インターネットリサーチモニターのうち上記自動車保険加入者
調査方法:NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
調査期間:2019/05/31(金)~2019/06/03(月)
有効回答者数:2,142名
回答者の属性:【性別】男性:56.4%、女性:43.6%
【年代】20代以下:10.0%、30代:14.8%、40代:20.5%、50代:17.4%、60代以上:37.3%
(ダイレクト型自動車保険部門)
調査対象企業(アルファベット順、50音順):アクサダイレクト、イーデザイン損保、SBI損保、セゾン自動車火災保険、ソニー損保、チューリッヒ保険、三井ダイレクト損保
調査対象者:インターネットリサーチモニターのうち上記自動車保険加入者
調査方法:NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
調査期間:2019/05/31(金)~2019/06/03(月)
有効回答者数:3,310名
回答者の属性:【性別】男性:63.6%、女性:36.4%
【年代】20代以下:8.5%、30代:15.6%、40代:19.4%、50代:19.7%、60代以上:36.8%
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