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「リアル店舗×デジタルマーケティング」の最前線

空気を吸うようにオンラインとオフラインを行き来する ベイクルーズが目指す、ユニファイドコマースの世界

 Patheeの原嶋宏明氏が業界キーパーソンを訪ね、「リアル店舗におけるデジタル施策」や、これからの「リアル店舗の役割」について意見を交わしていく本連載。今回はJOURNAL STANDARDやIENAなど、人気アパレルブランドを多数展開するベイクルーズでECを統括する加藤利典氏の元へ。オムニチャネルを実現した同社では、次なるステップとして「ユニファイドコマース」の実現を進めている。同社が目指す、新しい購買体験とは?

ベイクルーズが目指す「ユニファイドコマース」の世界

原嶋:ベイクルーズさんは、既にオムニチャネルの基盤を構築し、次なるステップとして「ユニファイドコマース」の実現を掲げられています。具体的には、どのような購買体験を理想としているのでしょうか?

加藤:お客様がチャネルを意識せず、空気を吸うような感覚で、オンラインとオフラインを自由に行き来するような状態を目指しています。実際、店舗とECをクロスユースしていただけるほうが顧客満足度も高いようで、クロスユースされている方の平均購買単価は、ECだけで買う方の4.4倍、店舗だけで買う方の3倍にものぼります。

 お客様がスムーズにチャネルを行き来するためには、チャネル間の差異をできるかぎり取り払わなければいけません。なので、店舗とECをメインに、各チャネルの連携を進めています。

株式会社ベイクルーズ 執行役員/Director EC統括 Product&Development Div. 加藤 利典氏
株式会社ベイクルーズ 執行役員/Director EC統括 Product&Development Div. 加藤利典氏

ECと店舗を連動させ、チャネルの差異を感じさせない

原嶋:チャネルを意識させない施策とは、どのようなものがあるのでしょうか。

加藤:たとえば販促イベントなどを行う際には、必ずECと店舗を連動して実施します。また「店舗限定」「EC限定」という商品はあえて作らず、100%同じ購買体験ができるように設計しています

 当社では、倉庫・店舗・モールも含めて、在庫をほぼ一元化する管理システムを構築しています。そのため、ECになかった商品を他モールから取り寄せる、ECで気になった商品を店舗で試着して買うという“チャネルをまたいだ購買体験”を提供できます。また、商品のタグをスマホで読み込めばECで購入できるので、手ぶらで帰ることも可能です

 また、店頭接客ではデジタル活用も推進しています。お客様が来店された瞬間に、スタッフが持つ端末にお客様情報が表示され、それをもとに接客できる体制を構築しているのです。逆に、ECでは店頭のような接客を再現するため、KARTEのようなWeb接客ツールを導入し、オンラインでも個別最適化されたリアルタイム接客を実現しています。今後は、よりリアルタイムパーソナライゼーションを推進したいと考えています。

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この記事の著者

原嶋 宏明(ハラシマ ヒロアキ)

Patheeマーケティングマネージャー。大学卒業後Webディレクション、プロダクトマネージャーを経験。前職で動画制作プラットフォームCrevoの立ち上げを経験。現職ではマーケティングから組織構築、広報まで幅広い領域を担当。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

水落 絵理香(ミズオチ エリカ)

フリーライター。CMSの新規営業、マーケティング系メディアのライター・編集を経て独立。関心領域はWebマーケティング、サイバーセキュリティ、AI・VR・ARなどの最新テクノロジー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/09/19 09:00 https://markezine.jp/article/detail/31842

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