攻めのパッケージ刷新のために、ニューロリサーチを実施
プロジェクトについて
アサヒビールは、缶チューハイ「アサヒもぎたて(以下、もぎたて)」のパッケージデザインリニューアルに際して、マクロミルグループ センタンのニューロリサーチを活用した。
デザインの色彩やキャッチコピー、パッケージ上のテキストや画像の配列などについて、100案以上あった候補を2案に絞り込み、調査を実施。脳波計測とアイトラッキングを同時に行い、既存調査の結果などと組み合わせた上で、新デザインを決定した。
――はじめに自己紹介をお願いします。
宮广:アサヒビール「もぎたて」のブランドマネージャーとして、商品開発からプロモーション戦略までを担当しています。
坂本:マクロミルグループのセンタンで、営業を含めた企業活動全体の管理をしています。当社はニューロリサーチを含めた調査やコンサルティングを行っており、今回のプロジェクトはマクロミルと共同で進めました。
――ニューロリサーチについて、簡単にご説明いただけますか。
坂本:脳波や心拍といった生体反応から消費者の無意識的反応を調査・検証し、インサイトを探る手法です。こうした調査手法を商品開発やデザインなどに活かしていく動きはニューロマーケティングとも呼ばれ、データに基づいて意思決定をしたいというニーズの高まりから、注目を集めています。
――ありがとうございます。では、今回のパッケージリニューアルの目的について教えてください。
宮广:缶チューハイをはじめとするRTD飲料(※)は、新しいものが次々と発売されるカテゴリーのため、陳列棚で競合ブランドに埋もれてしまうことがなく、かつブランドの新鮮さを感じてもらうことがとても重要です。2016年の発売開始以来、年1回のリニューアルを続けてきたのですが、今回はより思い切った刷新をしたいと考えていました。
(※)「Ready to Drink」の略。購入後、そのまま飲用可能な缶チューハイなどを指す。
――ニューロリサーチを活用された理由については、いかがでしょうか。
宮广:これまではアンケートやインタビュー、実際の陳列棚を用いた会場調査などを実施してきました。こうした方法の場合、実験参加者が自覚している印象について話してもらうことはできるのですが、無意識の部分でどのように感じているのかを把握するのは難しく、仮説を完全に検証することはできなかったのです。
攻めのリニューアルにあたって、より強い根拠が欲しいと思っていたときにニューロリサーチを知り、「これだ!」と。当社では初めての取り組みでした。