スポーツ×Instagramの親和性を調査
MarkeZine編集部(以下、MZ):今回、カンター・ジャパンとFacebook JapanでスポーツとInstagramの関係性・親和性に関する調査を行ったと聞いています。調査を行った背景から教えてください。
水谷:発端は2年ほど前、アスリートの課題にInstagramがどう取り組めるかを検討していたところ、スポーツの有識者から「アスリートのセカンドキャリアが問題になっている」というお話を聞きました。
一方、Instagramでは様々なジャンルのインフルエンサーが活躍していて、マーケティング目的で彼・彼女たちに投資をしている企業もいます。スポーツというコミュニティにおいて、Instagramの存在価値や役割が何かを理解できれば、アスリートや企業の課題解決にもつながるのではと考え、カンター・ジャパンと調査を行うことにしました。
MZ:どのような調査を行ったのでしょうか。
関井:大きくは2部構成で、Instagram利用者かつInstagram上でスポーツにエンゲージしたことのある人への定量的なアンケートと定性的なインタビューを実施したのが1部。2部では、50競技610人のアスリートに調査を行いました。
関井:「なぜInstagramでスポーツ?」と思った人もいるかと思います。僕自身も調査を始める前は、スポーツとInstagramのつながりに疑問を抱いていました。しかし調査をしてみると、Instagramとスポーツの親和性の高さが明らかになりました。
MZ:では、調査結果について教えてください。
関井:まず、1部のInstagram利用者に対する調査では、国内のInstagram月間アクティブ利用者のうち、70%がInstagram上でスポーツに関連したコンテンツを楽しんでいることがわかりました。加えて、非利用者に比べより幅広いスポーツ種目に関心があることも明らかになりました。
その理由を掘り下げてみると、「アスリートの日常の姿を見たい」「アスリートに関する情報を継続的に得たい」が上位に挙がるなど、アスリートに関する濃密な情報が得られるプラットフォームという認識が広まっているようです。
MZ:確かに、Instagramでアスリートが料理を作っている姿やオフ日を過ごしている様子など、日常的な投稿を見かけることが多い気もします。
関井:選手の日常を見ることがスポーツにとっては重要で、日常を見た上で試合を観戦すると、選手の活躍がドラマ化されるんです。試合とInstagramの投稿によって、アスリートのドキュメンタリー番組を見ているような気分になり、よりその選手を応援したくなるというファン心理が働くのです。
定量調査の結果でも、選手のプライベートの姿を見ている人は試合のおもしろさ、選手・アスリート、チームに対して魅力を感じる割合が2倍以上高くなっていました。Instagramによって、よりスポーツが楽しめるようになっている。これが消費者側のキーポイントとなっています。