Twitterをうまく使いたければ寛大になろう
MZ:Twitterを活用する上で必要なことはなんだと思いますか。
比恵島:先ほどお話ししたように、シャウエッセンはこだわりを持ったブランドで、むやみやたらに新しい味を出したり、レンジ調理を解禁したりしてこなかったんです。でも、Twitterで新しい味のシャウエッセンがここまで話題になったのを見て、時代は変化を求めているし、その変化を世の中に広めてくれるのもTwitterだと思いました。新味のチェダー&カマンベールも世の中のチーズブームをくみ取って開発・発売しました。
その他にも、定期的に更新してタッチポイントを作ることも重要だと思います。
MZ:早坂さんはいかがですか。
早坂:正直、今回ここまで成功できたのは、ニッポンハム様の寛大さがあったからこそだと思っています。公式が「手のひら返し」という言葉を使うのも少し躊躇したんですが快くOKしていただけましたし、チェダー&カマンベールの告知動画のクリエイティブも社内抗争みたいな内容だったんですが、そこも許可いただけました。
今回のように、良い関係値で、広告主の方も寛大さを持ってクリエイティブの発想を一緒にできると、これだけの成果につながるのだと感じました。
MZ:篠原さんは今回のようにニッポンハムがTwitterをうまく活用できた理由ってどこにあると思いますか。
篠原:私は日ごろから、ブランドが伝えたい強み、いわば機能的価値や情緒的価値と、Twitterオーディエンスのインサイトが重なる部分を見つけ、そこでコミュニケーションを行うことが非常に重要だと考えています。
今回話題になったレンジ解禁やミートローフ、チェダー&カマンベールなど、すべての施策でブランド側がオーディエンスの潜在ニーズに寄り添った形でコミュニケーションをとれていたからこそ、キャンペーンが大成功したと思っています。これからTwitter活用を本格的にしたいと思っている企業には、ザ・お手本と言える事例です。
ブランドのコアは崩さず、チャレンジする
MZ:比恵島さんにお聞きしますが、今後どのようにTwitterを活用していきたいですか。
比恵島:シャウエッセンの持つブランドのコアは崩さずに、新しいことには引き続きチャレンジしていきたいです。その中でTwitterは、発信したコンテンツを世の中ごと化できるような影響力のある媒体として、マスメディアと併用しながら効果を最大化していきたいと思っています。
MZ:早坂さんと篠原さんは、どのような支援をしたいと思っていますか。
早坂:シャウエッセンは間違いない味という強みを持っています。売上も順調に来ているので、チャレンジはしつつもブランド毀損にならないコミュニケーションを考えたいと思います。これまでは少しおもしろい要素を取り入れてきましたが、やりすぎるとファンの方も引いてしまう。シャウエッセンの持つ人格を意識しながら、世の中の流行なども踏まえて新しいことを仕掛けていければと思います。
篠原:比恵島さんも早坂さんも、シャウエッセンを好きな方の気持ちに寄り添い、どういったブランドかをきちんと示すための施策を的確に仕掛けてきました。私は引き続きTwitter上でどういった声が集まっているのかを定量・定性の両面でお伝えしていきながら、ブランドとオーディエンスを近づけるお手伝いをしていきます。
加えて、Twitter上では今何が話題になっているのかといったトレンドもお知らせしつつ、より良いコミュニケーションが生まれる支援をしたいです。そしてこれからも、是非ニッポンハム様に食品業界におけるTwitter活用の第一人者として業界をリードしていただきたいと考えています。