SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

Twitterで流行するインスタントウィン、その効果を事例で探る(AD)

主催イベントのハッシュタグがトレンド入り!「ふるさとチョイス」がTwitter×リアルに取り組む理由

 日本最大級のふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクは、11月16日~17日にかけて「第5回ふるさとチョイス大感謝祭」を開催。会場では、ユニークビジョンが提供するTwitterのQRコードを利用するO2Oソリューション「Belugaチェックイン」を活用し、来場者とのエンゲージメントを強化。Twitterトレンド入りやフォロワー数増加などの成果を上げた。本記事では、導入背景や活用の詳細について、トラストバンクの宗形氏と本保氏、ユニークビジョンの渡邉氏、髙橋氏に話を聞いた。

オフラインイベントの効果を最大化するために、Belugaチェックインを導入

MarkeZine編集部(以下、MZ):最初に、これまでTwitterをどのように活用されていたのか教えてください。

宗形:ふるさとチョイスのTwitter公式アカウントでは、ふるさとチョイスに登録されている全国各地のお礼の品に関する情報はもちろん、各地域の魅力を伝える情報を様々な形で提供しています。その他にも、ふるさとチョイスのブログのシェアや主催イベントの告知に活用しています。

 お礼の品一つひとつが持つストーリーや各自治体の想いを伝えながら、オンラインでフォロワーさんとコミュニケーションをとることに重きを置いてきました。

株式会社トラストバンク 経営管理本部 広報部 部長 宗形深氏
株式会社トラストバンク 経営管理本部 広報部 部長 宗形深氏

MZ:今回、ユニークビジョンのBelugaチェックインを導入したのは、どのような課題からだったでしょうか。

本保:我々はふるさとチョイス大感謝祭というイベントを毎年開催しています。今年は5年目で、1万人を超える参加者にお越しいただきました。

 これまで弊社では、各地域の自治体職員の方々を懇親会やセミナーに招待し、自治体同士のリアルなコミュニケーションを促したり、自治体と寄付者をつなげたりする活動を行ってきました。ふるさと納税をきっかけに、リアルなコミュニティを形成することを重視したためです。ふるさとチョイス大感謝祭もその活動の一環となっています。

 しかしながら、ふるさとチョイスの主戦場はオンラインです。そのため、オフラインとオンラインをつなげる施策が必要となるのですが、そこへの施策は十分ではありませんでした。せっかくリアルな場で築いたコミュニティの熱量をオンライン上に持っていくことができていなかったのです。

株式会社トラストバンク ふるさとチョイス事業本部 地域リレーション部 SVチーム 中日本担当エリア担当リーダー 本保輝紀氏
株式会社トラストバンク ふるさとチョイス事業本部 地域リレーション部 SVチーム 中日本担当エリア担当リーダー
本保輝紀氏

宗形:加えて、イベント参加者の声が外に広がる設計になっていないことも課題となっていました。

 元々ふるさとチョイス大感謝祭は、主に既存ユーザー向けでクローズドなイベントでした。当社から潜在層にアプローチするより、自治体や地域の事業者、生産者の方々と交流したイベント参加者の口コミを起点に認知が広まっていくほうが、地域を応援する気持ちが醸成されると考えていたからです。ただ、来場者の方が口コミをしたくなるような仕組み作りができていませんでした。

 しかし、Belugaチェックインであればイベント参加者がSNSで発信したくなる仕掛けを用意できます。参加者のSNSアカウントを把握し、継続的なコミュニケーションも行えます。まさに、私たちの課題を解決するにはベストなツールだと考えました。

Twitterを活用したO2Oキャンペーンを実現

MZ:Belugaチェックインであればイベント参加者がSNSで発信したくなる仕掛けを用意できるとのことでしたが、どういったサービスなのか教えていただけますか。

渡邉:Twitterアカウントに個別に割り振られているQRコードを端末でかざすことで、チェックインを行うことのできるサービスとなります。チェックインを行ったユーザーには指定時間にリプライやDMを送ったり、アカウントの情報取得を行ったりすることができます。Twitterキャンペーン構築システムの「Belugaキャンペーン」を活用すれば、プレゼントキャンペーンで当落を通知することなども可能です。

渡邉:また、チェックインできる条件を指定することもできます。たとえば、「指定したハッシュタグを付けてツイートした人でないと参加できない」などですね。このように条件を付けることで、イベント参加者へSNSでの発信を促せます。

ユニークビジョン株式会社 ディレクター 渡邉真希氏
ユニークビジョン株式会社 ディレクター 渡邉真希氏

髙橋:これまでの Twitterキャンペーンの場合、フォロー&RT(リツイート)キャンペーンが多く、ほとんどがオンラインで完結していました。Belugaチェックインを使うことで、店舗やイベント会場に来ていただいたお客様のTwitterアカウントを軸に、オフラインとオンラインをつないだキャンペーンが可能になるんです。

ユニークビジョン株式会社 ディレクター/広報 髙橋涼太氏
ユニークビジョン株式会社 ディレクター/広報 髙橋涼太氏

ふるさとチョイスは、どうツイート数を伸ばしたのか?

MZ:イベント当日、Belugaチェックインでどのようなキャンペーンを実施したのでしょうか。

本保:来場者の方に「#ふるさとチョイス大感謝祭」というハッシュタグと、会場の様子を撮影した画像を付けてツイートしてもらいます。ツイートした方が特設ブースのBelugaチェックインの端末でQRコードをかざすと、その場で抽選を実施することができます。そして、当選した方に各地域のお礼の品をお渡しする、というキャンペーンになっています。

当日の様子
当日のキャンペーン参加フロー

宗形:イベントには老若男女問わず、幅広い年齢層の方が来場されるため、正直どれだけの方に使っていただけるかは懸念していました。でも、結果的には想定以上の方に参加していただくことができました。

MZ:キャンペーンはスムーズに進行できましたか。

本保:初日はやや苦戦しました。導入するのを決めたのが直前だったので事前の告知ができず、イベント内でキャンペーンを行っていることを知らせる必要がありました。そのため会場でチラシを配っていたのですが、キャンペーンの存在に気づいていない方も多かったんです。

 そこで、2日目は受付でチラシを配ったり、自治体のブースの方にも協力してもらい告知してもらったりと、会場内での情報発信を強化しました。

宗形:その結果、1日目よりも2日目の投稿数が150%も増加しました。2日目は1日目に比べても開催時間が短かった中で、これだけ改善できたのは良かったと思いますし、ユニークビジョンさんの迅速なご対応のおかげです。

MZ:ユニークビジョンは支援側として意識したことはありますか。

渡邉:来場される方々がどれくらいTwitterに詳しいかは未知数だったので、キャンペーン参加フローとQRコードを読み取ったときの挙動に関する設定は注意深く進めました。

 トラストバンクさんと事前に何度か打ち合わせを行ったうえで詳細を詰めて、チェックインしてもらうとそのユーザーが会場の画像とハッシュタグを付けて投稿したのかまで読み取れるようにし、いちいち目視で確認する必要がない仕様にしました。その他にも工夫をしてオペレーションをできるだけ簡略化し、現場スタッフの方やキャンペーン参加者が迷わない設計を意識しました。

本保:Twitterに詳しくないイベントスタッフでも問題なくオペレーションできていたので、使いやすさも非常に高く評価しています。

髙橋:1日目の振り返りとして、当選数をもっと増やしてさらにキャンペーンを盛り上げると良いのではというご意見がありました。そこで、トラストバンクさんに2日目用の追加の賞品を急きょ手配していただき、システムの当選設定も変更しました。

 その結果、2日目はより多くの方が当選するようになり現場での喜びの声も増えました。イベントは通常のTwitterキャンペーンに比べて期間が短いので、非常に素早い対応が求められると思いました。

ハッシュタグがトレンド入り、公式アカウントのフォロワー数も増加

MZ:キャンペーンを通して、どのような成果が得られたのでしょうか。

本保:一番大きかったのは、「#ふるさとチョイス大感謝祭」のハッシュタグがTwitterトレンド入りしたことです。

 過去4回開催してきましたが、トレンド入りしたのは初めてでした。アカウントのフォローは必須ではなかったのですが、キャンペーン参加者のうち約半数がふるさとチョイスのアカウントをフォローしてくださったのも想定外の成果でした。

 また、ハッシュタグ付きのツイートは後から確認できるので情報資産として残せるのも良いと思いました。

髙橋:仕組み上は、フォロー必須にしてキャンペーンの参加条件を厳しくすることもできます。ただ、今回は投稿数を集めることが第一だったので条件には入れなかったのですが、それでもフォロワーが集まるのはすごいと思います。

宗形:イベント当日は返信できなくても、ハッシュタグを追えば、後日一人ひとりに返信することができます。実際にイベント後にハッシュタグを付けてツイートしてくれた方には、お礼のリプライをしました。

これまでは、参加者のSNSアカウントを把握しきれていなかったので、大きく前進できたなと感じていますね。

イベントに関するツイートが広がるメリットとは?

MZ:では、得られた成果には概ね満足されているということでしょうか。

本保:そうですね。会社としても、オフラインを絡めたSNS施策に初めて取り組み、手探りで進めていたのですが、わかりやすい成果が出せて良かったと思います。

 また、自治体さんも巻き込めたのも非常に大きかったです。Belugaチェックインの仕組みを通じて、一緒にイベントを作り上げることができたと感じています。それに、情報発信が苦手な自治体さんもいる中で、我々はもちろん、来場者の皆様の力を借りて全国各地の魅力を発信できました。とてもうまくいったと感じています。

宗形:イベントを通じてリーチできた人数が劇的に増えたのも良かったですね。これまでは、来場いただいた約10,000人にしかリーチできていなかったのが、SNSでの発信が強化されることで来場者のフォロワーに情報が届き、トレンド入りでさらに多くの方に広がった。このリーチの広がりが、私たち企業側からではなく、来場者の皆様から広がっている点に大きな意味があると思っています。

 ふるさと納税は名前こそ広く認知されていますが、やっていない方の大半は「よくわからない、不安」と感じています。そのような方々の態度変容を促すには、広告・宣伝によるアプローチだけでは難しい。そして、一番態度変容につながる確率が高いのは、友人や家族からの口コミです。なので、今回これだけのツイートを発生させることができたのは、大変良かったです。

ピラミッドの図

渡邉:Twitterは情報感度の高い人が多いプラットフォームです。そういった人たちはリアルの世界でTwitterを利用していない人にも影響を及ぼす可能性を持っているので、口コミでサービスのことを知ってもらうには適切な媒体だと思います。

つながりを強化するツールとしてTwitterを活用

MZ:今後の展望について教えてください。

本保:今後も、イベントの認知を広げる仕掛けとして使っていきたいですね。イベントの事前告知と合わせて戦略設計すればより高い効果を生み出せると思います。

 また、今回キャンペーンに参加した方でフォローしていただいている方にはDMを送ることも可能です。そのため、来年のイベント参加をリマインドするなど、Twitterアカウントを重要なデータアセットとして活用できればと思います。

宗形:より自治体を巻き込んだキャンペーンにしたいですね。今回は当社がキャンペーンを主催し、プレゼントもすべて当社が用意しました。次回からは、各自治体で賞を用意してもらい、自治体のブースでプレゼントを受け取ってもらうような、ブースへの送客を目的の一つとした企画にすることもできると思っています。

 そうすることで、キャンペーン参加者はそれまで知らなかった自治体を知ることもできて、自治体側は接点がなかった人にアプローチできるため、双方にメリットを感じてもらえるような設計が可能です。ふるさとチョイス大感謝祭を寄付者と自治体のコミュニケーション促進の場にすることで、各地域の魅力をより深く伝えられるようになるはずです。

 このように、Belugaチェックインを単なるキャンペーンツールではなくて、コミュニケーションツールとして活用できるよう改善して、来年のふるさとチョイス大感謝祭をさらに盛り上げたいと思います。

MZ:ユニークビジョンのお2人はいかがですか。

渡邉:今回は当日のみのキャンペーンでしたが、Belugaは事前・事後にもアプローチできる機能を持っています。そのため今後は、より顧客接点を長く持てるキャンペーン設計をご提案したいです。

本保:弊社も毎年イベントを行う中で、来場前にどうモチベーション向上させるかは課題の一つになっています。今回は当日だけにもかかわらず非常に良い反応が得られたので、来場前・後のアプローチも見据えた取り組みが来年一緒にできると嬉しいです。

髙橋:イベント後にトラストバンクさんと振り返りをして、自分たちがまだ想像できていない使い方がたくさんあることを実感できました。今後は、新たな使い方に対応できるプロダクト強化を行いたいです。

 また、来年もBelugaの導入に対して前向きな声を頂いているので、参加者の皆様がさらに楽しめて、企画側も満足する成果の出る提案を時間をかけて作っていきたいと思います。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
この記事の著者

水落 絵理香(ミズオチ エリカ)

フリーライター。CMSの新規営業、マーケティング系メディアのライター・編集を経て独立。関心領域はWebマーケティング、サイバーセキュリティ、AI・VR・ARなどの最新テクノロジー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2020/01/24 16:14 https://markezine.jp/article/detail/32609