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デジタルトランスフォーメーション調査2019

イノベーションを阻むものは何か?DXを超える、ビジネス変革の要点

 多くの業界でデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、業務プロセスの改善など「効率化」の領域のみならず、新たな事業やサービスの開発など「価値創造」領域に積極的に着手する企業も増えています。テクノロジーやデジタルを活用し新しいサービスをスタートさせるには、他企業やスタートアップ企業とのアライアンスが必須であり、更には自社組織や人材にまつわる課題をクリアする必要も出てくるでしょう。電通デジタルが実施した「日本における企業のデジタルトランスフォーメーション&デジタルマーケティング 2019年度調査」から最新トピックを解説する本連載。今回は、DX時代の事業開発やビジネスモデル変革を効果的に推進するためのポイントを解説します。

DX先進企業はビジネストランスフォーメーションを目指す

 日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に関する調査を開始した2016年以降、DXに取り組む企業は着実に拡大し、2019年版の調査では70%が「プロジェクトを開始」あるいは「計画している」と回答しました。うち40%の企業は、複数の領域において大規模に変革を進める「DX先進企業」となっており、日本企業のDXは、構想・計画段階から本格的な実行・拡大フェーズに移り変わろうとしていることがわかります(図表1)。

図表1:日本企業のデジタルトランスフォーメーション取り組み動向/出典:電通デジタル「「日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査(2019年度)」(以下、同)
図表1:日本企業のデジタルトランスフォーメーション取り組み動向
出典:「日本における企業のデジタルトランスフォーメーション&デジタルマーケティング 2019年度調査」(以下、同)

 さらに、DXに「一部取り組んでいる」あるいは「計画中」という「DX着手企業」と、既に複数領域において変革を進めている「DX先進企業」の取り組み領域の差分に目を向けてみます。DX先進企業は既存の事業ドメインにとどまらず、事業領域の拡張・進化を試みるなど、これまでにない収益源をもとめてビジネスモデルをも変化させています。つまり単なるデジタル化ではなく、事業構造そのものを変革する“ビジネストランスフォーメーション”に挑戦しているのです(図表2)。

図表2:「DX着手企業」と「DX先進企業」の取り組み領域の差分(タップで拡大)
図表2:「DX着手企業」と「DX先進企業」の取り組み領域の差分(タップで拡大)

 DX先進企業は企業文化を「顧客中心主義」に作り変えるために、新たなデジタル組織の設置や改編を行うなど、企業活動の根本からの見直しを推し進めています。こうした動きは、急速に進むデジタル化により競争相手や顧客など事業環境が変化し、従来の商売では通用しなくなるという強い危機感を背景にトップダウンで推進されていると推測されます。また、そのような強い推進力が存在しなければ、成功しないものでしょう。

 またDX先進企業では、「ビジネスパートナーとのアライアンス」が優先順位高く取り組まれています。これは、自社にはないスキルやアセットを他社に求めてでも従来の企業目線での製品づくりから脱却し、「顧客にとっての新たな価値」を追求することが、ビジネストランスフォーメーションの鍵となることの表れと読み取れます。

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イノベーションを生むための新たな取り組み

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この記事の著者

安田 裕美子(ヤスタ ユミコ)

電通デジタル
ビジネストランスフォーメーション部門 部門長

AEとして自動車やサービス企業のCRMプロジェクトPMOやECサービス立ち上げを経験。2012年、新設のデジタル組織に参画、マーケティングのイノベーション、組織導入を推進。2016年より電通デジタルにて、企業のサービス業化を支援すべく新規事業の開発、顧客...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/02/13 08:00 https://markezine.jp/article/detail/32752

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