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ラグビーワールドカップに学ぶ、SNSで最大の盛り上げを作る方法

ラグビーワールドカップを成功に導いたSNS運用方針とは?

河原井:ワールドラグビーとも合致していた方針としては、「2019年に開催されるスポーツの国際大会としてナンバーワンを目指す」「スポーツに興味がない人でも楽しんでもらえるような大会にする」ことの2つでした。

河原井:この2つを達成するために具体的に意識していたのは、ラグビーのコアファンに向けたコンテンツだけでなく、ラグビーに関心が高くないライトファンを巻き込むような内容をSNS、Web、モバイルアプリ、YouTubeなどで立体的に提供するということです。

 ラグビー新興国の日本の場合、コアファンだけで盛り上がりを作るのは難しいので、ライトファンに向けたコンテンツも出しました。それを見た方にラグビーについてオンライン上やリアルの場で語っていただく。そうして、ラグビーワールドカップをみんなで楽しんでもらえるような空気感をデジタルチームでは意識して作っていました。

平地:SNSではUGC(User Generated Contents、ユーザー生成コンテンツ)の拡がりが重要だと思いますが、ラグビーワールドカップでもそこを重要視していたんですね。

 ちなみに、コアファンとライトファンの具体的な定義はあったのでしょうか。

河原井:コアファンは、ラグビー経験者やかつて大学ラグビーが非常に人気だったときのファンなどをイメージしていました。ライトファンに関しては、サッカーなどラグビーに近い流れがあるチームスポーツのファンの方々や、私たちは「イベントラバー」とチーム内で呼んでいたお祭りごとが好きな人たちなどを想定していました。

話題になった上位コンテンツの共通点

平地:コンテンツを発信していくにあたって、意識していたことはありますか。

河原井:報道機関では伝えきれない、「大会の裏側」や「グッドストーリー」などを発信してきました。たとえば、試合後に選手がおじぎをしている様子やロッカールームを清掃している場面などがそうですね。そういったものを通じて「ノーサイド」や「リスペクト」など、大会期間中に生まれるスポーツマンシップを伝えていました。

平地:そういった報道機関が伝えきれない部分の素材ってどのように集めていたんですか。

河原井:素材集めは非常に重要だと思っていたので、あらかじめ大会運営スタッフや各出場チームの広報さんに「何かあれば映像や写真を我々デジタルチームに送ってください」とお願いをしていました。加えて、メッセージアプリで連絡先を交換し、私たちが欲しい動画や画像などをすぐにリクエストできる状態にしておきました。

平地:そういった体制を敷いていたからこそ、報道機関では手の届かないような情報にいち早くアプローチできたんですね。

 今回のラグビーワールドカップで、特に話題になったコンテンツはなんでしょうか。

河原井:1番話題になったのは、台風で試合が開催中止になったカナダ代表が、開催都市であり台風の被害を受けた岩手県・釜石市でボランティアを行った投稿ですね。このツイートは12万を超えるリツイート、33万を超えるいいねが集まりました。

平地:あの投稿は僕が見ていた中でもすごい拡がりでしたね。その他に話題になったコンテンツの共通点はありますか。

河原井:エンゲージメントが高かった上位10のツイートを見ると、やはり大半は日本代表が歴史的勝利を飾った試合中の映像や試合直後の映像でした。そのように、人気国や開催国のチームが試合でいい結果を出してくれると、SNSでも話題になります。

平地:日本代表などの場合は、特に勝つことが重要ということですね。それに加えて、試合の中でも重要なシーンを切り取って素早く上げていたから上手くいったのだと思います。

 ちなみに、Instagramだと人気のコンテンツも変わってくるのでしょうか。

河原井:女性のファンが多いという特性からか、ストーリー性のある写真や選手の涙を捉えた写真、喜びの表情の写真など、感情に訴えかけるようなものが好評でしたね。

平地:では、実際にSNS活用によって、どのような成果が得られたのか教えてください。

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チケット売上だけでなく、もたらされた様々な好影響

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2020/02/19 08:00 https://markezine.jp/article/detail/32821

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