ビッグワードでも検索上位表示! 成功体験で内製化に弾み
まず「1.内製化」については、外部制作会社への完全アウトソースによる運用状況を改め、社内の『Woman.CHINTAI』編集部が主導権を持って運用できるように体制を整えたことを挙げた。ポイントは、Webマーケティング初心者だった編集部がミエルカの伴走支援を受けながら成功体験をつくったことだ。
当初、編集部では既存記事の検索順位は上位を獲得できていてSEOは順調との認識だったが、「ミエルカ」を用いてキーワードを分析したところ、モニタリングしていたキーワードの約74%が月間検索数1,000以下のスモールワードだったという。
「オウンドメディアのローンチ時期にスモールワードから狙うのはよくある話ですが、そのようなキーワードにだけ対応していては流入数が伸びません。そこで、月間検索数5,000~1万以上のミドル~ビッグワードを狙うことを提案しました」(前田氏)
ミドル~ビッグワードで検索上位表示を獲得するのは容易ではないが、ユーザーのニーズをしっかりと分析して期待に応えるコンテンツを制作できれば、狙いどおりの結果を得られる可能性は高くなる。ここで編集部と前田氏が選んだのは、月間検索数6,000ほどの「8畳」というキーワードだ。コンテンツ制作前に「ミエルカ」でユーザーニーズを分析したところ、以下のようなニーズが浮かび上がった。
「レイアウトや家具サイズを知りたいとなると、図解やイラストがわかりやすそう」との「ミエルカ」からのアドバイスも踏まえて、編集部でコンテンツ構成案を作成。アイキャッチ画像に部屋のレイアウトを図解したものをオリジナルで作成することにし、見出しと内容もおおまかに決めた。
「タイトルには、“【図解】”と入れて検索結果画面でも違いを明確にしたりするなどして、検索結果画面でのクリック率の向上を意識しました。ユーザーに選んでもらえる工夫も重要です」(前田氏)
オリジナルのアイキャッチ画像で離脱を徹底防止
そうしてできあがったコンテンツは、「ミエルカ」で分析したユーザーの検索ニーズを捉え、さらにコンテンツ冒頭で図解を盛り込むことで理解を促進する。ポイントは、ファーストビューでユーザーの心をつかんでコンテンツを最後まで読んでもらうこと。こうした様々な工夫を凝らしたことによってユーザーに評価され、公開2ヵ月後には「8畳」のキーワードで検索1位を獲得した。
現在のSEOでは、ユーザー行動の良しあしも影響する可能性があるといわれているため、サイトに訪問してくれたユーザーを検索結果に戻さないことも重要だ。そのための工夫のひとつが、オリジナルのアイキャッチ画像。「今のユーザーは膨大なコンテンツと情報があふれる中で情報収集をしています。読みづらそう、よくわからないなと思うとすぐ離脱してしまいます。テーマと関連度の低い画像やフリー画像は使わないようにすべきです」と前田氏。
Webマーケティング初心者でも、客観的な分析に基づいて構成案を固めればビッグワードで検索上位を獲得できると証明されたことで、内製化に弾みがついた。現在ではライティングだけ、特定ジャンルに詳しい人やSNSフォロワーの多い人など外部のライターに発注し、他は内部リソースで主導できるようになったという。
「内製でメディア運営が回せれば、社内にノウハウが蓄積していきます。他のコンテンツとの差別化のためにも“中の人”がつくることで、コンテンツに“想い”をこめることが欠かせません」(前田氏)