KGIを基点に“必要な施策”の取捨選択が可能に
Datoramaを導入したSansanとヤプリではどのような成果が上がっているのだろう。Sansanではレポーティング業務にかかる手間と時間を大幅に削減することができたと福永氏はいう。
「これまでレポート作成にかかっていた日数が大幅に減りました。社内で経理状況を報告するマンスリーレビューという会議に出る際、従来レポートを作成するのに3~4日ほどかかっていましたが、今では1日で終わります」(福永氏)
それだけでなく、必要な施策の取捨選択をしやすくなったと福永氏は考えている。
「それまで各施策の担当者がそれぞれ『自分が担当するこの施策は絶対に必要なんです』と、資料を作ってプレゼンをしていたんです。Datoramaを取り入れたことで、『その施策がなくてもKGIは達成できるからやめよう』とか『新しい施策に取り組みたいなら、KGIを達成してから言って』など、KGIを基点にメンバーと会話できるようになりました」(福永氏)
本当に必要なデータ、そのために必要なことが見えるように
ヤプリの山本氏は、欲しいデータを得るためには実施していなかったことがわかるようになったと話す。
「逆説的なのですが、『欲しいデータを得るために必要なことを行っていなかった』ことがわかるようになりました。Datoramaを使っていると、ときどき『このデータが見られない?』という疑問が湧くことがあって。その要因を詳しく見ていると、そもそもデータ化していなかった場合と、必要な施策を行っていなかった場合の2パターンあることがわかりました。これまで見えているようで見えていなかったことがクリアに可視化されるようになった手応えを感じています」(山本氏)
こうしてBtoB領域でDatoramaを活用してオンラインにおけるマーケティング活動を推し進めている両者。これから先、マーケティング活動にどのような展望を抱いているのだろうか。
「サイトに来訪したもののコンバージョンせずに離脱したアノニマスデータに関しても可視化できたらと考えています。当社の場合、テレビCMをたくさん放映しているため、CMのスペシャルサイトへの来訪者数は多い。とはいえそれをコンバージョンにまで繋げるのはなかなか難しいと感じています。CMの成果は短期的に見えるものではありません。半年後、1年後のコンバージョンにテレビCMが寄与していたことまで追えれば、CMの効果測定にも有効になると思います」(福永氏)
「プロダクト開発チームやカスタマーサクセスチームも含めて社内全体に、いかに重要な情報を“流通”させていくかを大切にしていきたいですね。私は社内にどれだけ気付きのある情報が“流通”しているかどうかで、格段に成果が変わると思っています」(山本氏)