「広告の食わず嫌い」は起きているのか?
日本インタラクティブ広告協会(JIAA)が2019年12月に発表した「2019年インターネット広告に関するユーザー意識調査」によると、インターネット利用時間は他のメディアを大きく上回り、メディアとしての評価も高まっている一方で、インターネット広告へのネガティブなイメージも印象的だ。特にスマートフォン上でのインターネット広告に対して「邪魔な/煩わしい/うっとうしい」との回答スコアは4割弱(37.8%)に迫り、他メディアの広告を圧倒している。
この調査結果に対して、Twitter Japan マーケット・インサイト&アナリティクスリサーチ マネージャーの竹下洋平氏は、「中身を見れば興味のある広告だったとしても、最初に広告だと認識するだけで、広告効果が減少する恐れがある。つまり、広告の食わず嫌いが起きているのではないか」と疑問を提示。
目に入った瞬間、ユーザーが情報と判断してピュアな姿勢で広告に接触するか、広告と認識して広告に接するかで、コンテンツへの反応には影響があるのか? そして同じクリエイティブであっても、視聴するプラットフォームの環境によって、広告効果が変わるのだろうか?
このような疑問と、またTwitterの広告売上のうち動画広告の割合が5割を超えていることが、この度のTwitter/Facebook/Instagram/YouTubeの4大プラットフォームにおける動画広告の見られ方や反応の違いを調査した背景にはあったという。
【Twitterの概況】
平均mDAU(収益につながる日間アクティブユーザー数):1億6,400万人(前年同期比23%増)
Twitterでの一日における動画視聴回数:25億回(日本は5億回)
広告売上に占める動画広告の割合:5割超
今回の調査の視点は大きく2つ。各プラットフォームにおける動画広告の見られ方や反応の違い、またモバイル最適化動画と非最適化動画の見られ方や反応の違いを、コペンハーゲンを拠点とするNeurons Incが提供する「アイトラッキング」および「脳波計測」を活用し、科学的なアプローチで検証した結果が共有された。
1、同じ動画広告の素材であっても、視聴するプラットフォームによって広告の効果に違いはあるのか?
2、動画広告のモバイル最適化は、広告効果に違いをもたらすのか?
【調査概要】
広告素材:日本国内においてTwitterで過去に実際に配信された動画広告素材(複数業種/BtoC)を9ブランド選定
動画タイプ:「モバイル最適化動画」「モバイル非最適化動画」を各ブランドで用意
検証プラットフォーム:Twitter、Facebook、Instagram、YouTube
検証対象:合計18素材(9ブランド×2タイプ)
サンプル数:123名(男性62名/女性61名/年齢18~45才)
実験開催地:東京
被験者は自身のスマートフォンから各プラットフォームにログインし、普段どおりの自身のタイムラインでランダムに提示される合計18種類の動画広告を視聴。YouTubeに関しては被験者が見たい動画を自身で選んで実施したという。