ニューノーマルで増えるオンライン○○
コロナ以降、様々な「オンライン○○」サービスが生まれています。みなさんはどんなものを思い浮かべ、またいくつ経験したことがあるでしょうか。下図は、ニュースなどで取り上げられたものをピックアップし、その中で「コロナ以前からあったもの」と「コロナ以後に生まれた or 増えたもの」に分けたものです。また、その中からさらに筆者が経験したことあるものとそうでないものに分けてみると、元々の○○の部分がソフトウェア重視のものと、ハードウェア重視のものに分けられ、前者は概ね経験があり、後者の経験がないことがわかりました。
なぜハードウェア型オンラインサービス(図右下)の経験がないのか。ソフトウェア型サービスはその本質が情報であるがゆえに、オンラインでも満足できることがわかります。一方、ハードウェア型サービスは実際に現地現物で体験しないことには満足できず、オンラインでは満足できないという暗黙の前提が「本当におもしろいのか?」と感じさせて体験から遠ざけていたのだと思います。
しかし、日に日にニュース等でハードウェア型オンラインサービスを目にすることが増えた私は、上記の考えに思い込みがあるのではないかと思い、実際に体験してその価値を確かめよう思いました。選んだのはWhyKumano Hostel Café & Barの「オンライン宿泊」です。コロナ以降、過去75回もの開催で450名以上の参加者を生んできたサービスで(2020年7月13日現在)、度々ニュースでも取り上げられています。
オンライン宿泊ってなに? おもしろいの?
他のハードウェア型オンラインサービスに対する印象と同様に、最初は「本当におもしろいの?」と疑わしく思いながら臨んだオンライン宿泊でしたが、この予想を裏切り、世界中から集まった宿泊者とのコミュニケーションがとても楽しい、オンラインならではの体験となりました。それはなぜか、サービスの流れを追ってご紹介します(既に様々な場所でオンライン宿泊のサービス紹介がされていますのでここでは大まかな流れだけお伝えします)。
Facebookからの事前予約を済ませた私は、公式アカウントからのMessengerでの案内に従いZoomで参加。オーナー後呂さんからの案内でイベントがはじまりました。まずはチェックインをして後呂さんの案内で館内施設を巡った後、乾杯をして参加者の自己紹介がはじまりました。ここでまず驚いたのが東京(私)のほかに静岡、兵庫、そして韓国、オーストラリアと世界各地から宿泊者が参加されていること。韓国の方は現地の新聞でオンライン宿泊を知ったということでした。
お互いのプロフィールを共有した上で次はバーチャル熊野ツアー。Googleストリートビューを使った後呂さんの案内で宿がある紀伊勝浦駅周辺を案内いただくのですが、以前現地を訪れたことがある私でも知らない隠れたスポットや、ツウな楽しみ方を紹介いただき参加者で盛り上がりました。
その後、参加者それぞれが今どこから参加しているかをGoogleマップで確認し、その後は各々が持っているお気に入り写真を共有しながらのおしゃべりをしていったん解散(消灯)しました。
そして翌朝、参加者のグループに届いた公式アカウントから届いたメッセージでチェックアウトをして1泊2日の宿泊を終えました。
そのグループでは参加者のみなさんから「皆さんとのご縁にも、感謝です。楽しい時間の共有をもありがとうございました!」「オンライン宿泊のすべてを通して、リアルで行きたい欲が高まる」「訪れる日を楽しみにしています」といった、オンラインでのつながりに満足し、実際にオフラインでの訪問意欲が高まっていることが伺い知れる感想が寄せられました。
当初はオンライン宿泊に懐疑的だった私も、実際に体験してみると世界中から集まったお客さんとの会話が楽しく、時間があっという間に過ぎて行きました。また、自分が知らない熊野の魅力を後呂さんにお伝えいただいて、「また行ってみたい」という気持ちが高まり、当初抱いていた「本当におもしろいの?」という考えは覆されました。オンライン宿泊は、まさに私自身の“既成概念”を破壊したサービスだったのです。