※本記事は、2020年7月25日刊行の定期誌『MarkeZine』55号に掲載したものです。
マーケター2,000人への調査を実施
新型コロナウイルス感染症の拡大は、予測することができない世界規模の危機であり、企業のマーケティング活動にも、大きな影響を与えている。企業として何を提供していくべきか、マーケティング活動で何にフォーカスしていくか、コロナショック以前に描いていた戦略・活動計画の見直しを迫られている企業も少なくないだろう。しかし、苦境を経験している現在だからこそ、それ以前に抱いていた目標や想いを再確認し、変革への手がかりを得ることが大切だ。では、コロナショック以前、マーケターは自身のキャリアや業界の近未来をどのように思い描いていたのだろうか。本稿では、日本および世界のマーケターに調査した結果を紐解くことで、困難を乗り越えるためのエンジンとしていきたい。
インテージでは昨夏、マーケター自身が抱く近未来への期待を発掘すべく、商品・サービス開発支援プログラムである「デ・サインリサーチ」を活用し、マーケター2,000人にアンケート調査を実施。質的データと量的データを組み合わせた分析手法「PAC-i」を用いて得られたデータを解析し、マインドディスカバリーマップ(図表1左)を描いた。
マインドディスカバリーマップ(以下、マップ)を用いることで、対象者全体の期待構造を把握することができる。マップを読む際には、ワード同士の距離に着目し、その関係性を解釈していく。ワード同士が近ければ、関係性・意味合いとしても近く、反対に遠ければ、関係性・意味合いが遠いと読む。また、マップの中心は“ハブ”と呼ばれ、様々な要素と関係のあるワードが集まり、テーマにおける一つの答えが表出する場所である。
また、生成されたマップを「デ・サインワークショップ」で読み解くことにより、潜在意識を浮き彫りにし、仮説を生成することができる。