若年層を中心に「テレビドラマの再放送」が人気に
オープニングは、TVISION INSIGHTSの代表・郡谷康士氏が、「コロナ禍のテレビ視聴実態の変化」を解説した。同社では、世帯もしくは個人が、「どのくらい見ているのか?」を表す視聴率に対し、テレビの前に人がいるか(VI値・滞在度)とテレビへ人の顔が向いているか(AI値・注視度)をデータ化した視聴質を計測している。郡谷氏によれば、テレビの注視時間は前年度に比べ3割増しとなり、東京都の記者会見が行われた3月25日前後、緊急事態宣言が出された4月13日前後は、注視時間が伸びているそうだ(データ対象期間:2020年1月20日週~4月27日週)。
また調査時期の視聴質からは、子どもの夜更かしとMF1層の昼視聴の増加が読み取れる。さらに興味深いのは、MF1層の番組別視聴質。4月11日からの4週間、最も見られた番組が、ドラマ「野ブタ。をプロデュース」(2005年・日本テレビ)の再放送だったのだ。視聴質も、標準値の2〜3倍高いという。「MF1層の好みは揺らぎやすいのですが、“野ブタ。”は視聴質が長期間1位でした。ドラマの本放送時、彼らは中高生。若年層やテレビを見ないライトユーザー層をターゲットとするとき、子ども時代にどんなコンテンツを見ていたかを掘り起こすと、ヒントになるかもしれません」と郡谷氏。